2023年7月22日
昨年度、親友に誘われての人権の学習会で、すっかりファンになってしまった先生が、同和人権部会を立ち上げて、今年度も学習会を開いてくださっていたのでお邪魔させてもらった。
今年のテーマは、その大好きな先生が師事されていた先生についての学習会で、第一回は島崎藤村作「破戒」とその方との関係についての研究発表という事だった。
予習はせねばと、昨年公開された映画版の「破戒」を見てから、参加せねばと作品を視聴したが、視聴するだけでもこの国の歴史によって作られた言われない差別である部落差別、身分差別について、深く考えるものだった。
政府が四民平等を謳ったものの、公然と黙認されるように国民の生活にこれらの差別が存在し続けていた明治の時代に、差別を受けている人たち、それを取り巻く人たちの心情まで明確に書き表した本作は、発表から現在に至るまでに、大ヒットになったり絶版になったり、作品自体にも歴史が紡がれるほどのものであるが、
その歴史を紡ぐものの一人として、大きく関わってきたであろう人物が、今回のテーマとして取り上げられている先生だという事で、研究発表をされる方も、作品について先生がどうどのように考えていたのだろうかということなどを、残っている資料から読み解くという事をされていたのが、興味深かった。
1時半から始まった学習会は、17時ギリギリまで、討論議論も尽きることなく、大いに面白く学びのある会で、
夏休み二日目、大人ながらに自由課題の学習を一つこなしたような満足感を感じた。
いつも一緒にそういった学習会に参加する親友が、帰りにそのまま晩飯でもどうですか?と誘ってくれたので、お気に入りの資さんうどんへ。
いつも資さんでは「鍋焼きうどん」しか頼まない自分だが、今日はなんだか鍋焼きを食べる気持ちもなくなるようなじめっとした重たい湿気のある空気に、鍋を抜いて「焼うどん」に。
運ばれてきた焼うどんは、鍋焼きうどんとは違い、鉄板の上で野菜や肉としっかり混ぜこまれて焼かれていて。
すっきり具材が整頓されて盛り付けられる鍋焼きうどんとは対照的なそのフォルムに、
今日の学習会で、正解の見つからない問題でごちゃっとなった今の自分の頭の中に似ているなぁと感じた。
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