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その灯りは夏の終わりを告げるように
8月16日の記念日【月遅れ盆送り火】
旧暦では7月16日とされたお盆最後の行事は、現在では一か月遅れの8月16日にされていることが多く、この日を月遅れ盆の送り火の日として、
各地域で行事が行われます。
ぱっと頭に浮かぶのは京都の五山の送り火や、長崎の精霊流しでしょうか。
夏の風物詩的なイベントとしても定着していますが、やはりそこはお盆と言う事で、
先祖供養の位置行事としての荘厳さを漂わせます。
お盆の送り火、家族行事でやっている人もまだまだ多いのではないかと思います。
子どもの頃に、迎え火や送り火の列に参加した時に、
夕暮れ時にお墓までのうっそうとした林道を通って、
まだ日も暮れていないのに、肝試しより怖い気持ちになったことも、
懐かしい記憶として残っています。
また、この送り火が終わると、夏が一気に終わりに向って加速する、
そんなイメージも強くあります。
気付けば、朝にうるさく鳴いていたセミの声は、
夕暮れのつくつくぼうしの声に変わっていて、
夜には少し涼しい風と共に秋の虫の鳴き声が聞こえ始める。
歩いている桜並木は少しずつ紅葉の数を増し、
ツバメの巣はその役目を終えて空っぽになっている。
心に残るもの悲しさは、送り火とともに、
その侘しさをも楽しめる、夏の終わりを伝えてくれます。