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チャレンジは子どもにも大人にも(前)
六年生の家庭科では、裁縫、調理、清掃、よりよい環境での暮らし方など、
一緒に学ぶと、こちらももう一度勉強になり、
実生活で役に立つ内容の学習が多い。
その中でも裁縫の学習では、おそらく、服飾関係の仕事に進まない限りは、
小中学校の家庭科でしか触らないだろう、ミシンを使う作品作りの学習は、
子ども達にとっても不安と、ワクワク感の入り混じる活動になる。
5年生でナップザックをつくり、6年生ではエプロン作りだ。
仲良しさんクラス1組の子ども達にも、運動会を終えた後の6月に、
エプロン作りの時間が訪れた。
自分自身が小学生の頃にエプロンを作った時よりも、
エプロンキットはずいぶん丁寧で、、初めから型紙などに、
すべての手順の説明書きと、どのラインで裁断、縫製をしていけばいいか、
その補助線もすべて書き込んでくれているのだ。
おそらく何十年か前に数度しかミシンには触ったことのない大人でも、
このエプロンなら失敗しない。それくらいに丁寧ではあるのだが、
やはりミシンは初めての子どもたち。
自分で選んだ柄のエプロン生地の入ったキットを手にしているときは、
すごく嬉しそうだ。
今回の仲良しさんクラス1組の子ども達のエプロン作りでは、
もう一つ、初の試みを仕掛けた。それはあゆ先生が主になっての授業だ。
あゆ先生は、この仲良しさんクラス1組を一緒に観ていて、
僕とちょうど一回り年の離れたシャキシャキ娘の頼りになるパートナーだ。
受け持ち的には、僕が担任、あゆ先生は担任補助という形だが、
僕自身が講師なので、そんなどっちがどっちでという気持ちもなく、
二人で担任をしている。そんな気持ちで子ども達を預かっている。
あゆ先生は実は、養護教諭(保健室の先生)を目指していて、
1人枠で採用の少ない養護教諭の試験を受けながらも、
学校現場での仕事に積極的に増えておきたいという意欲で、
本来は専門出ないけど、特別支援の支援補助講師の依頼を引き受けて、
この学校で3年目、現場では、特別支援のエキスパートと思われている程に
フットワークも軽く、子どもへの寄り添い方も温かい相棒だ。
そんなあゆ先生と一緒に子どもと過ごす毎日は、授業は自分が主で行い、
その間にあゆ先生は子ども達の宿題や連絡帳のチェック、
欠席の連絡のない子のお家への連絡などをこなしてくれて、
子ども達の授業の様子を教室で一緒に過ごしながら、
授業の教材などの準備なども、先を見通してやってくれる。
また、子ども達の中で、気持ちが落ち着かないとか、
落ち込んで活動できない時には、
個室に一緒に入って時間を過ごしてくれるなど、
子ども達からも頼りがいのあるお姉さん的な存在になってくれている。
そんなあゆ先生は、高校時代は「家政科」だったと言う事で、
じゃあ、この子達の家庭科と、保健の授業は、
あゆ先生が主になってやってごらんよ。と、僕の方から提案した。
あゆ先生はこの3年間そんな経験は一度もなかったので、
「え、本当にいいんですか?!」
と、びっくりしながらも嬉しそうだ。
「子ども達も、いつものととろん先生より、あゆ先生が教えてくれるのは絶対テンション上がってやる気も上がるよ。僕も同じ教室で副としているから、やりたいようにやってみて。」
こうして、子どもは初めてエプロン作り、
あゆ先生は初めて主での授業の、家庭科の授業が始まった。