
6の4の大王は誰になる?(4)
「じゃあまずは1ターン目。みんなさいころの用意はいいかい。」
「いいよー!」
せーのでみんながサイコロを転がす。
「はい、ずるはいけないからね。お隣さん同士で出目の確認を。お互いのカードは見ないようにね。」
なんせ手作りのゲーム。手探りしながらも、子ども達が混乱しないように。
はじめは一つ一つ工程を確認しながら始まった。
「先生、こっちは確認OKだよ。」
「こっちも確認OK。」
あちこちからOKの返事が戻ってくる。
「じゃあ、まずは出目が1から4の人は、山からカードを引きに来てね。」
わっと列ができる。24,5人はいるだろう。全員が引き終えたのを確認して、
「じゃあ次は、出目が5・6の人は、交渉するお隣さんを誰にするか決めてください。」
そうすると7・8人の5・6出目の子が、隣近所の子を指さしで指名する。
「先生、私、二人から同時に攻撃されそうなんですけど。」
列の真ん中の子は、周りが8人いるので、1ターンで複数の交渉も出てくるという理屈だ。
「よし、その場合は交渉順番をじゃんけんで決めよう。Oさんを指名した二人はじゃんけんして、順番を決めてね。」
そう指示を出すと、そこではじゃんけんの掛け声が聞こえ始めた。
それ以外の交渉のところでは、
「じゃあ、攻め込んでやる!」
という男の子の声、それを受けた相手の子の、
「いいのかなぁ、いきなりいくさいでいいのかな?いっせーのがせっ!」
やったぁ!しまったぁ!などの声も聞こえてくると思えば、
「じゃあ、私はⅠちゃんと、統合しましょう。」
とにっこり握手をして統合して、合わさった瞬間に、
「やったぁ!二人合わさって一気に米カード1000来たー!」
と、二人で山のカードを引きに来る女の子のペアも出てきた。
1ターン目からだいぶ動きも活発だ。
「・・・じゃあ、交渉の結果はどこのむらも大丈夫かな。周りのむらの長がちゃんとジャッジはしてね。」
と、山札カードとゲームの管理人はとてもじゃないが、
全部のむらの交渉に立ち会うことはできなので、基本全体指示で、
ルール上の確認、想定外の状態、質問の時には個別に立ち会うことにした。
通常振興の交渉の際は、まわりのむらの長であるそれぞれの子ども達に、
審判をゆだねる形で、ゲームを進行していく。
1ターン目で33集落のむらだった6の4列島は、24集落まで減ったのだった。
だが、いくさで負けたむらの長も、ゲーム上は滅んでしまったのだが、
勝ったむらに追従する形で、楽しそうに応援しながら2ターン目を待っている。
これは思った以上に面白くなってきた。
さぁ2ターン目にはどうなるだろう。