双極性障害を寛解させるために大切にしていること 服薬編

 こんにちは。ととです。
 双極性障害を発症して11年になります。
 現在は寛解期といわれていますので、自分がある程度の回復を見込めた習慣や活動、心の持ちようなどについて発信していくつもりです。

 しばらくは、双極性障害と向き合うにあたって、私が大切にしていることを書いてみようかと思っています。
 ものすごくシンプルだけれど、とても大切なこと。
 過去の自分も含めて、自分がどれくらい「あたりまえ」の生活ができているか、みなさんも振り返ってみてみてください。
 そして、気に掛かる項目があれば、生活の中で少しずつ見直していってみてください。
 私が大切にしていること。
 今回は第一弾です。

服薬

 あたりまえのことかもしれませんが、毎日お薬を適切に飲むことが最も重要だと思っています。
 私は発症してから11年もの間、服薬を1日たりとも忘れたことはありません。(気絶しても死にたいと思っても薬だけはやめませんでした)

「このお薬を飲むと調子が悪くなるからやめた」
「もう病気は治ったから飲むのをやめた」

 そんなことを思って服薬をやめてしまった同病者さんはたくさん知っていますし、躁状態になってYouTubeやX(旧Twitter)に独断での服薬中止を報告している方もよく見かけます。
 そんな方に限って、躁転したり、体調を大幅に狂わせて入院といったケースが多いように感じています。

 あれこれ考えがちな私たちの病気ですが、私は、お薬に関しては多いに知識を入れるべきだと考えています。

服薬を中断するとどんなリスクがあるのか。
 服薬中のお薬にどんなねらいや意図があるのか。
 副作用はどのようなことがあり得るのか。

 特に独断での服薬中止は、「悪性症候群」という重篤な副作用があるため注意が必要です。

 私の場合、クエチアピン(セロクエル)を完全にやめる方向性が決まった時、ほんの1ミリ単位で微調整をしてもらい、半年ほどをかけてやっと完全にやめることができました。
 その間、少しでも体調や感情に変化があれば記録し、医師に相談して増減を繰り返しました。

 それくらいお薬に関しては繊細なもの、専門性の高いものなので、素人の安易な判断で中断することはやめましょう。
 謎の病的YouTuberやインフルエンサーの甘言に注意しましょう。
 人それぞれ、状況や医師の治療方針が違うことを理解しましょう。

 自分のお薬についてわからないことがあれば、医師や薬剤師の方にもっと気軽に聞いてみてください。
 同じ薬でもジェネリックになっていたり、販売元が変わっていたりすると、名称も変更されることがあります。
 お薬について細かく聞いて、理解を深めてみてください。

 そして、私たちができることは薬の種類、量を把握することによって「自分の現在の状態を知ること」です。
 リチウムがどれくらい必要なのか、バルプロ酸(デパケン)をどれほど入れると安定するのか……などなど。
 このお薬がないと「『今は』安定しないんだな」と、お薬手帳を見ながら考えてみてください。
 将来、「このお薬は必要で、このお薬はなくなっていても大丈夫かもしれないな」と思えるくらいの知識をつけることで、双極性障害と向き合う第一歩になります。

 これらはもちろん、双極性障害者を支援する方にも心得ておいて欲しいことです。
 体調が悪く、気分が安定しない場合は、お薬を飲み忘れていることもあります。
 また、服薬の重要性を理解されていない方にとっては、支援する方の協力が不可欠でしょう。

 お薬を継続して飲むことで、あなたが少しでも安定した日々を過ごせることを願っています。

服薬を忘れないための工夫


 それではここで、服薬を忘れないために、私が実際に使っているツールやアイテムをご紹介します。
 これから病気に向き合っていこうと思っている方、服薬をどうしても忘れてしまう方におすすめします。

服薬カレンダー

寝る前まであると便利ですね

 自分の動線や部屋にかけておくと、視覚的にお薬を「飲んだ」ことが確認できるので便利です。
 お部屋のレイアウトとしてはかなりダサいですが、服薬を忘れるよりは全然良いです。
 安いものはダイソーやセリアなどの100均で、Amazonなどでは1000円前後で売られています。

ピルケース

これは無印良品のもの

 外出時の服薬用にピルケースを一つ持っておくと安心です。

 急に不安定になったときのために頓服を入れたり、昼食、夕食後のお薬をまとめて入れておくと服薬忘れを防げます。

 ドラッグストアや無印良品などの店舗、ネットでも1000円前後で買えます。

 私は服薬管理が習慣になっていなかった頃や、うつ期が多かった時期は「服薬カレンンダー」を使い、安定してきた近頃は「ピルケース」に毎日薬を入れて外出しています。

 大切なのは、お薬をもらった袋のまま保管しないこと。
 飲んだか飲んだのかわからなくなったり、二重服用が起こったりします。
 必ず目に入る場所に、なんらかの形でお薬を移動させておきましょう。

服薬リマインダー

 スマートフォンを日常的に使っている方が多いと思いますが、娯楽に夢中になる前に、服薬管理をリマインドさせるツールを使いましょう。
 私が使っているのはiPhoneの標準アプリ「ヘルスケア」です。

ヘルスケア→右下のブラウズ→服薬

 と進むと、自分のお薬を記録することができます。
 その中に、この薬は「○時に飲む」とリマインダー登録することができるので、設定しておきましょう。

 服薬中の薬を設定しておく(ミリ数まで記録しておくとなお良いです)と、お薬手帳がなくても、服薬中のお薬を他の医師に見せることができたり、家族に服薬状況を把握してもらうこともできます。

 いつか記事にしたいと考えているのですが、スマートウォッチ、特にApple Watchはメンタルケア、精神疾患を克服するためにも優秀なガジェットです。
 この服薬リマインダーもApple Watchに通知が届くので、お薬を飲んだら、「服用」ボタンを押すと記録できます。
 もちろんiPhoneだけでも通知がくるので、記録しておくと習慣づきます。

 双極性障害者にとって、服薬は一生ものです。
 私も「死ぬまでお薬と付き合っていかなければならないな」と、いつまでも思っています。
 お薬を飲んでいても何も問題はないですし、恥じることもありません。
 精神疾患は心の病気と思われがちですが、つまるところ本当は脳病です。
 脳にエラーやバグが生じているだけなので、お薬でその状態をメンテナンスして安定を保っているとイメージしてみてください。
 精神科の薬を飲んでいるかどうかなんて、外見からはまったくわからないのですから。
 安定したフラットな自分を目指すために、お互い毎日の服薬だけはがんばりましょう。
(その他のことはがんばらなくていいですよ)。

 それでは、また。



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