子供の頃のヘンテコ生活
私の子供の頃のお話
何かあるとすぐ大笑いする私の母親
80歳は、とっくに過ぎているのですが
自慢の国家資格を武器に、まだ現役でバリバリ働いております。
そんな親の仕事柄
結構他人の家庭に首を突っ込む
機会が多い様で・・・。
ほっておけばいいものを
人が良すぎて
ついついやってしまう性格
小学生の頃
親の離婚の関係で
祖母の家と自宅を往復する生活の私。
ある日 自宅に帰ってくると
見慣れない大人の靴と子供の靴が
玄関に並んでいる。
『ただいま~』と声をかけると・・・。
『おかえり~今日から、しばらく一緒に住む
○○さんと、その子供さん。よろしく!!』
子供の私は『えっ!、誰?』
『お母さんの仕事先の人』
その夜から忙しい親に変わって
その人が、ご飯作ってくれたり
夜、絵本を読んでくれて
なぜか、その子供さんと
真剣にお話を聞いているという状況。
その時暮らしていた部屋は
4畳半と6畳の部屋のみ
そして風呂なしで1畳ほどの小さな台所に
当時は、その親子を入れて
5人が生活。
今思うと、そんな狭い部屋に
なぜ?という暮らし。
親は、いつも、そういう事があると
その人達がいない時に
必ず大人に説明する様に詳細に説明してくれる。
親の話によると
その親子の旦那さんがある会社の社長さんだったのだが
社員にお金を持ち逃げされて
支払わないといけないお金を、返済する事が出来ず
"サラ金"で借りたら、それが
かなりの金利だったため
借金があっと言う間に膨れ上がり
奥さんと子供だけ安全な所に移し
社長さんは、資金繰りに奔走している状態で
お金の目途がつくまで
迎えに来れないと言う話だった。
私は小学2年生。
これが日常茶飯事の生活で
自宅に帰ると家族以外の誰かが暮らしている。
さすがに妹と私の2人でいる時が多かったため
泊まるのは、全員女性だったが。
そのおかげと言ってはなんだけど
小学生の頃から下記の事には詳しかった。
◆借金の平均利息
◆借金を支払えない、又は踏み倒した場合、借主はどうなるのか?
◆借主に待ち受ける運命
◆旦那に責任がある場合の、離婚方法
◆養育費
◆調停にかかる時間・・・・
などなど、あげればキリがない。
でも、1番は
その親子の様に、旦那さんを信じて待っている
奥さんの"迷いのない"表情だったり
何も知らない子供の無邪気さ
中には、そんな状況に耐えれず
さっさと荷物をまとめて
実家に帰る奥さんもいたため
人が"愛情"という名の元、どれだけ環境の変化に
耐えれるか・・・まして
子供が一緒だから
次の日から、学校や、幼稚園に行けなくなるわけで
環境の変化だけでも、普通の状況では無かった。
子供というのは残酷で
待っているその奥さんに聞いた事があった。
『待ってる間、怖くないの?』
『どうして?』
『だって、旦那さんが迎えに来ないかも知れないし
返さないといけないお金だって
返せないかも知れないじゃない~?』
私が無邪気にそう聞くと
奥さんはニッコリ微笑んで
こう返事をしてくれた。
『大丈夫、必ず迎えに来てくれるし
あの人はお金を必ず返せる人だって信じてるから』
その頃から私は、様々な家庭を見ているおかげで
しかも、状況が切羽詰まった時。
自分だけが可愛い人もいれば
色んな人がいる。
その人が口で、どんないいことを言っていても
目と表情を見れば
『あ~・・・これは嘘だな。』
『裏切る人だ。』と
大体の事は、分かる様になった。
ヘンテコな暮らしではあったが
"今の私の全てを作っている"と言っても
過言では無い気がする。
それと同時に
『人間は裏切る生き物。
そんな中でも、どれだけ相手の事を信じられて
どれだけ相手の事を信用できるのか
それを自分自身がどこまで見抜けているかが重要』
"人を信用できる"のは、今までの自分の"経験"が
モノを言うのか それとも
"人を見る力"なのか
難しい所ではあるが
私が子供の頃から様々な人間を観察して
得た知識から思う事
『人間が大好き!
自分の事は大切!
自分の大切にする人には
頭がハゲるほど、気を遣うのが当たり前!』
※追記
ちなみに、その親子の旦那さんは、無事借金を払い終え
(あちこち、頼み込んでお金を作ったらしい)
2か月程で、親子を迎えに来ることが出来た。
妻と子供は大泣きして、旦那さんと抱き合い
何度も親に頭を下げていた。
親とは今でも付き合いがあって
あの時、二人を預かって頂けなかったら
今の自分は無いと言っているらしい。
今は又、別の会社を作り、会社の社長さんになっている
親は言う
『人は、何かあった時、大変は大変だけど
それをどうやって乗り越えるかが
その人が持っている本来の力、"底力"って言うのだけど
くそ~~~~っ!!と頑張るか
あ~もうダメだ・・・・となるか
そこが大きな人生の分かれ道。
いつまでも、クヨクヨして立ち止まっていても
何も変わらないんだから。
歯を食いしばって、なんだ、これ位!って
前を向いて、進む!自分との戦いなんだから。』
母親の超ポジティブは年齢を重ねても
全く若い頃と変わらない
いや むしろ
今の方がパワーアップしている気がする。
たまに思う事がある
私は、母親の様になるのだろうか?
少し楽しみでもある(;´・ω・)
本日の"学び"
今日の親子の様な状況を考えると
"離婚"に関しては
よほどのことが無い限り
突発性な出来事では無い様に
気がする時もある
誰かに追われる生活の事を考えると
準備が出来る場合もある
話し合いが出来る場合もある
やはり
全ては"自分自身次第"なのだ。