『白と黒』
白も黒も変わらないという顔をしながら
白と黒とを見比べる
大抵のものには対となる何かがあって
意外にもそのどっちにもつかないことが多い
白と黒と何が違うのかと訝しみながら
白と黒とを見比べる
どちらかに分ける線は決して真っ直ぐではなくて
波間に揺られているように動き続けている
白は黒でないといえば大袈裟に頷かれ
白を黒と言えばまた頷かれる
〜解説のようなもの〜
白か黒かなんてどうでも良いことに悩んでいるうちに
カラフルな衣装に身を包んだ人々は
楽しげに脇を抜けていきました。
気づけば色がついているのは紺のネクタイくらいのもので
モノゴトを色で選ばなくなって久しいように思います。
何だか、中学生の頃に授業で使ったアクリル絵の具を
何を描くでもなく広げてみたい、そんな気分です。
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