『暗がりは晴れやかに』

暗がりを選んで気づけば
終わりのない平均台を渡っている

仄暗さすらもない海は
波の音を不気味に響かせて
そこに何かがあることだけは
忘れさせまいとする

暗がりを選んで気づけば
何もかもを見なくなっていた

星辰すらもない空は
月の光を満ちたまま絶やさずに
進むべき方角だけは
忘れさせまいとする

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