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林檎嬢とアヤカシ

 先の記事「林檎嬢と人殺し」では「しつこく裏社会を描いてきた」という椎名林檎の言葉通り、人間社会の裏を描いたMVをご紹介しましたが、今回はその更に裏側、アヤカシ、異界、冥界にまで繋がるMVを補完的にご紹介。

2013.05.27 椎名林檎「いろはにほへと」
(両A面「孤独のあかつき」)

 林檎嬢が竹林の中を進んでいく。その向かいから、狐の嫁入り行列がやってくる。真昼間に半分異界に迷い込んだ淡い色彩がすてきな一品。

2015.08.05 椎名林檎「神様、仏様」
(両A面「長く短い祭」)

 こちらはライブツアー名にも冠されました百鬼夜行そのままのMV。真夜中!映像美!茶目っ気!好き!(語彙力

 どちらも両A面のシングルなんですよね。「裏と表」でなく「両方表」、この世もあの世も両A面、ということでしょうか…と勘繰ったりするのも楽しい。

【完全に余談】2007.07〜 アニメ『モノノ怪』(ノイタミナ)

 この2つのMVが出るよりももっと前、2007年7月に『モノノ怪』という深夜アニメがノイタミナ枠でありまして、当時けっこうこのアニメに椎名林檎/東京事変の合わせたファンメイドのMAD動画が出回っていたように思うのですが、今YouTubeで探しても見当たりませんでした。まあ、あっても消されますよね。夢か幻か。
 その頃の椎名林檎はといえば、2007年2月にアルバム『平成風俗』と映画「さくらん」の主題歌「カリソメ乙女」「この世の限り」が出ており、もちろん東京事変の活動も並行しています。(「茎〜大名遊ビ編」と「百色眼鏡」は2003年)

 この頃の林檎/事変の江戸〜昭和初期を切って混ぜて煮詰めたような設定と、蜷川実花的色彩のイメージが、『モノノ怪』の時代国籍異形入り混じった独特の色彩、その世界観と非常にマッチしたように記憶しています。当時こういうの流行りましたよね。流行りませんでしたか?CLAMPの『XXXHOLiC』とか…

 懐かしい。ホリックの配信は有料のようです。

 モノノ怪はアマプラにあったから久々に見よう。そうしよう。

閑話休題

 2007年の『さくらん』に並行してアヤカシものブームがあって、その流れが渾然一体となって2013年の「いろはにほへと」に繋がっていたら面白いなあ、なんてなんて。

続きます。



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