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子育てについて学び、思うこと

年末年始は、家族がコロナになっていた関係で、家の中でも「家族全員」がそろいませんでした。
(インフルもすごく流行っているとか。みなさんお気をつけください。私も気をつけます)

昨日、やっとみんな回復し、久しぶりに家族でスーパーに
夕食の材料を買いに行きました。
スーパーで「ベビー肌着」を見ました。

ベビー肌着:PhotoAC(ぴよっこりさんより)

赤ちゃん用の肌着で、上下つながっているんです。
おまたのところにボタンがついて、パチパチと止めたり、外したりするタイプです。

我が家の子供たちはもう大きくなったので、この肌着は使っていませんが
妻とこの肌着を見ると、子供たちが赤ちゃんだった頃のことを思い出します。
思い出ってモノに付属しています。

スーパーを歩きながら妻と話しました。
「あの肌着、懐かしいね。おむつかえる時、おまたのボタン、パチパチ外すんだよね」
というと妻も懐かしそうに言います。
「そうそう、外す前に『パチパチとるよ〜』っていうと、
(赤ちゃんは)手でパチパチしてたよね(笑)」

肌着のボタンを「パチパチ」のつもりで言ったのに
赤ちゃんは、拍手の「パチパチ」だと思って、
おむつを変えている間、ニコニコ拍手していて、可愛かったのを
思い出しました。

その話をしていて、思い出したことがあります。
「パチパチ」ってオノマトペですよね。

去年、教材研究で読んだ本、『言語の本質』にこんなことが書いてありました。
┌<引用>────────────────
0歳の乳児の言語学習の主眼は、おもに母語の音や韻律の特徴をつかみ、音韻の体系を作り上げることである。
0歳児の絵本は意味を伝えるよりも音を楽しむ。
(中略)
2歳近くになると語彙が急速に増え、文の意味の理解ができるようになる。しかし文の中でも動詞の意味の推論はまだ難しい。そのときに、オノマトペが意味の推論を助けるのである。子どもを育てる親たちも 絵本作家たち言語の発達段階に合わせ巧みににちも そのことを直感的に知っていて、子どものマトペを使って、子どもが必要とする援助を無意識に行っているのだ。
今井むつみ著『言語の本質』(中公新書)
└──────────────────
この0歳の赤ちゃんが「音を楽しむ」というところです。
当時はわかってなかったけど、赤ちゃんって、「音」にすごく敏感なんだなと思いました。
最近発売された水野正司先生の「子育てスキル」の本にもこのことが書かれていました。

┌<引用>────────────────
赤ちゃんは、お腹の中にいる時(妊娠5ヵ月頃の段階)から、お腹の外の音が聞こえていることがわかっています。
生まれ出たあとの聴力はすでに大人と同じレベルです。
ですから、音がうるさくて泣き出すことがあります。
赤ちゃんは1日に何度も睡眠をとります。新生児なら1日100回くらい、生後6ヵ月の赤ちゃんでも4~5回は眠ります。しかも、その眠りは「浅い」ので、少しの刺激でも目を覚ましやすいのです。
大きな音がする環境は睡眠の妨げになりますが、子守歌や静かな音楽は心地よい眠りを誘ってくれます。テレビのつけっ放しは睡眠の妨げになるので気をつけましょう。
水野正司著『未来のために知っておきたい みんなの子育てスキル』(マイクロマガジン社)
└──────────────────

我が子も、赤ちゃんの時代に「音に敏感」な時期を過ごし、
私たち夫婦が使っている「パチパチ」というオノマトペを覚えてくれたんですね。
そして、「パチパチするよ~」という言葉から、
「あっ!手を叩くことだ」と推論して、ニコニコ拍手をしていたんだなあと思います。
当時は、全くそんなこと考えていませんでしたが、
今になって本で学んだことが、子育ての経験とつながるのは嬉しいことです。

先週の谷和樹先生のメルマガ「教育新宝島」のテーマも「子育て」でした。
向山洋一先生と奥様の浩子先生が赤ちゃんが産まれてから
どんな子育てをされていたのか、谷先生が解説されています。

中でも「生後3ヶ月の頃のこと」が紹介されていて、強く印象に残ります。

┌<引用>────────────────
5 向山の子育て「三ヶ月~その後」
次のことも、私には非常に参考になりました。
テレビ・ラジオの音は一切聞かせない
第2はテレビ・ラジオの音は一切聞かせないということである。今まで部屋に置いてテレビを他の部屋に移し替えた。女房は「少しぐらいはいいでしょう」と言ったが、私は一切妥協しなかった。
これが「三ヶ月」のときのことです。
「一切聞かせない」
「私は一切妥協しなかった」
という表現がすごいですね。
【谷和樹の教育新宝島】vol.57 Part1 | 2025年1月3日発行
└──────────────────
やっぱり「音」なんですね。
見せないじゃなくて、聞かせないなんだというところが印象的でした。

私はテレビはよくないということを知っていたのですが、
「一切妥協しない」ができなかったです。
一緒にアンパンマンとか、妖怪ウオッチとか見てしまいました。

でも、メルマガを読んで向山先生と同じで嬉しかったことは、
我が子の出産に立ち会ったということです。
幸運なことに、3人とも立ち会えました。
3人目の時は、上の2人も一緒に立ち会いました。
分娩団に妻が乗り、私とまだ4歳の長女と1歳の長男と分娩室で応援します。
長女は、産道に向かって「早く出ておいでー」と呼んでいます。
1歳の長男が、張り切って、分娩室を動き回っていたら、つまづいて転びました。
転んで、おでこをぶつけて泣きました。
廊下にいた人は、泣き声を聞いて「もう産まれた!早いね!」と言ったそうです。
そんな中でも、元気に次男が生まれてくれました。
産んでくれた妻と、生まれてきてくれた子供たちに
心から感謝しています。本当にありがとう。

今月のメルマガの特典は「向山先生の子育て資料」と水野先生の解説です。
水野先生は解説の中で「向山先生の言葉」を紹介されています。

┌<引用>────────────────
それにしても驚く。洋一氏も浩子氏も、ど うしてこのような見識を持つことができたの だろうか。そのヒントは次の言葉にあるよう に思う。

どのようにうまれてこようと、私は父親なですから、すべてをけとめるつ もりです。

向山氏は「ランダム」で、浩子氏は手紙 の中で洋一氏の言葉を紹介する形で、この 言葉を共有されている。
この言葉を発している向山氏の視線の先 は、お腹の中にいる赤ちゃんだったのではないだろうか。その命の鼓動を想像してい るからこそ出た言葉なのだと思う。
【谷和樹の教育新宝島】向山洋一教育資料No.14|2025Jan.
└──────────────────

自分の子育てが良かったとはとても思えません。
こうして学ぶと、自分はもっとちゃんとできたのだろうとも思います。
でも、我が家のこれまでを否定するつもりもありません。
妻が、母として3人の子供たちにしてくれていることは、素晴らしいと思うし、とても感謝しています。
そして、元気に育ってくれている3人の子供たちにも心から感謝しています。

父であると同時に教師でもあります。
子供たちの前に立つ人間として、「子育て」についても学び続けること。
子育てのスキルがあることを広めていくこと。
教室の子供たち一人ひとりが、ご家庭で大切に育てられた存在であること。
そのことを改めて胸に刻みました。

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