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【谷和樹の教育新宝島】vol.40 からの学び


メルマガ今週のテーマは「算数学習ゲーム」でした。
1998年に上海の子どもたちに向山洋一先生が学習ゲームを授業している映像が
特典でついてきました。
(毎月、こんな映像や音声、貴重な資料が特典になります)
「円を分ける」
TOSSランドにも紹介されている有名な実践です。
https://land.toss-online.com/lesson/cfBf5Oy6jp6Umw4i2n6N
私もこの授業のテープを起こしを読んだことがあります。
でも谷先生のように、向山先生の「授業運び」を読み取ることができていませんでした。
特に授業冒頭の女の子への対応を谷先生は
「100%引き取って対応する」と書かれていました。
谷先生んが書かれていた場面の映像を何度も見ました。
向山先生のあたたかい表情、首の動かし方、言葉、目線、ジーンとしました。
言葉が通じないのに、向山先生の表情や身体の動きで、
きっと発表した女の子も安心したんだと思います。
この後のこの女の子は「4つ」の場面でとても、とても嬉しそうに、誇らしげに手を挙げます。
冒頭の「100%引き取る」対応があったから、この場面のこの表情に繋がったのです。
自分の教室での授業を思い出します。
あんな表情で、あんな動き方で、こんな言葉で「100%引き取って」いたでしょうか。
憧れの「引き取り」方です。
教室で目指します。
貴重な映像と谷先生の解説があったから、この学びを得ることができました。
谷先生が書いてくださった「100%引き取る」という視点で映像を見ていくと、
他にも学びがありました。
ノートへの作業指示のあと
おそらく前の席の子のノートを見ながら
向山先生はあえて落とした声で、でも力強く
「かしこい、かしこい」と誉めていらっしゃいます。
声を落として、でも力強く褒める。
この「かしこい」は通訳されていないように見えますが、
褒められた子には、届いたんじゃないかなと思います。
この褒め方もまた「100%引き取る」につながります。
何より、褒め「方」よりも、
声の響きというか、その奥にある向山先生の優しさに、またジーンとなりました。
谷先生の解説があったから、この学びも得ることができたのです。
分布をとる場面にもありました。
向山先生の、どこまでもあたたかい「引き取る」です。
「4つ」を聞いた時の言い方です。
超一流の「感嘆の声」は、言葉の壁を越えるのでしょう。
向山先生の「びっくりして、褒める」という感嘆の様子に、
手を挙げていた女の子の表情が、とても嬉しそうになります。
そして、この感嘆の後だから、次の指示に子どもたちが一層、熱中するのだと思いました。
言葉の壁を越えると言えば、
向山先生は上海の子どもたちに日本語で授業しています。
飛び込み授業です。
通訳の方が、合間に子どもたちへ向山先生の言葉を翻訳します。
それなのに、授業にスピード感があります。
授業冒頭の円を分ける場面を見て、びっくりしました。
(1)向山先生が通訳の方への指(キュー)
(2)通訳中の子どもたちへ挙手の動き(ジェスチャー)
(3)翻訳にかぶせ気味の手刀での指名(巻き込み)
通訳のタイムラグを活かして、むしろタイムラグがあるからこそ
巻き込んでいます。

文章だけではなく、実際の授業映像だからこその学びがあります。
でも、映像から「宝」を読み取れる、谷先生の「解説」があるから
さらに学べます。
今週も新宝島に感謝です。

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