「悩めるモーレック」は何を悩んでいたのか?

悩めるモーレックこと「Brooding Mawlek」。
「周囲の同族が死滅して孤独に悩んでいるのではないか」という考察は度々聞くが、ここでもう一つの説を提唱したい。

「Brood」は「悩む」という意味もあるが、同時に「抱卵する」つまり鳥などが卵を覆って温める行動も指している。(ググれば出てくるよ)

したがって、「悩めるモーレック」は悩んでいたのではなく、卵を温めていたのではないだろうか。あるいは、「悩んでいる」「抱卵している」のダブルミーニングなのではないだろうか。

仮に抱卵していたとすると、いくつか納得のいくことがある。
まず、放浪者くんに激しく襲いかかったこと。野生動物は子供や卵を守る時に凶暴になるが、それはムシの世界でも例外ではないだろう。(単にナワバリ意識が高いだけでも説明はできるが)

次に、古代の穴のコモーレックとの見た目の違い。(ひとまず彼らは「同一の種の異なる形態」と仮定する)
彼らの違いは、抱卵に特化した形態か否か、なのではないだろうか?
例えば、モーレックのうち若い個体はコモーレックの形態で狩りを行い、繁殖の準備ができた個体が「悩めるモーレック」のような形態となり巣と卵を守るのではないだろうか?
もしくは、オスが巣の外で狩りを行う「コモーレック」で、メスが抱卵をする(またはその逆)といった考察もできるだろう。

狩りを行う「コモーレック」は機動性に優れた姿をしている。一方で巣を守る「悩めるモーレック」は機動性は低いが、体力や、外敵を迎撃することに特化しているのだろう。
モーレック族は「高い社会性を持つ」との説明があり、このように形態からして社会的な役割分担をしているというのも、非常に納得がいく。

また、完全に定位置から動かない「モーラーク」についても、似たような考えが適用できる。

「モーラーク」もまた抱卵していると考えられるが、「悩めるモーレック」との違いとして、足と鎌を持たない。何らかの条件の違いにより、「悩めるモーレック」とは異なる形態を取っていると考えられる。

考えうる理由としては「周囲に餌が少なく、一方で外敵も少ない」というものが挙げられる。
餌が少ないため、なるべく動かないことでエネルギーを節約し、外敵を鎌で迎撃する必要もあまりないのだろう。
見たところ、交叉路よりも古代の穴の方が外敵や餌は少なそうだし。


悩めるモーレックの話に戻るが、背景に映る彼らの死骸を見るに、体に穴が空いており、空洞があることが窺える。
この穴の中に卵を抱えていたのだろう。作中で遭遇する個体は「汚染」の液体で穴が埋まっているようだが、これが元からそうなのか、汚染によってこうなってしまったのかは不明だろう。(アスピッドなんかは元からあの姿っぽいし......)

ただし、作中で遭遇する「悩めるモーレック」は、本当に卵を温めていたのかは怪しい。
悩めるモーレックを倒すと「仮面の破片」が手に入るのだが、「仮面の破片」は、爆発四散した悩めるモーレックの体の中から出てくる。

この「仮面の破片」を、卵だと勘違いして抱えていた可能性があり得るだろう。

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