[随想詩] リトミックどデカダンス

心の波打ちを止める意識の特異点を身につけよ。

心の蔵の脈打ちを止める秘法を身につけよ。

存在の生滅のちらつきが消え去る彼方からの視点で世界を見よ。

ええつまり、そういうことなんです。
いつもそういうことだったんです。
なのに気づいたときには巻き込まれてしまってるんですよね。
だからこれからもやっぱりそれしかないのかな。
それはそれでいいと覚悟を決めればいいのかな。

ポカホンタスにぽかりと本でも足して。
レジスタンスなどとうの昔に投げ出して。
ノルウェイの森でダンス・ダンス・ダンスでも踊ることにして。

何しろ世界は数学的実存でありますから。
何しろ世界は共的唯心論でありますから。
何しろ世界は無意識的物語でしかありませんから。

公理的に人生を構築しても、
華厳的に宇宙を考察しても、
神話的に通貨を交換しても、
実存の虚しさがどうにもならなくて、
生存の愚かしさがどうにも滑稽で、
存外の豊穣性にどうにでも打ちのめされて。

恋とか愛とかそういうものに救いがあるかのような勘違いをしたこともありますし、幼稚園に入って母との関係性が壊れたものですから、肉体的な快感だけが慰めだった幸せな時期も経験しているのですけれども、だからといって性的・金銭的・権力的・自己承認的欲求の充足を否定するなんて、そんな大それたことを考えてるわけじゃありませんで、だってあなた、まだ新世紀が始まったばかりだというのに、こんなに末世的な状況が急展開するわけですから、目を見張って、目をぱちくりして、目を開けるのはもうやめちまって、ただただ心の底から驚きながら、まあしかし世界ってそういうもんだよなと一人ごちてるだけなんでございますよ、はい。

だからもう書物を開き、歴史を紐解く必要などどこにもないのだ。
それよりも、頭の中の万華鏡をこそむしろきちんと追いかけてみるがよい。
世界の中心から君の中心がどれだけずれてしまったかを確認することのろうがよほど先決なのだから。

そうしてくそでかい天竺の神へ捧ぐために謳い奏でる
腹の底まで圧倒されるほどの音量が重々しくも磁石の振動を引き起こす
電磁波の複素空間上を踊りまくって夜も明けて
その身をヘドニークな点描で埋め尽くし

ぼくは春の野の土筆んぼう
と化した黄色いお猿さんの
木星旅行の幻覚トリップを楽しんだ過去も忘れて
三歳児並みの今だけの虚存に多分
最期の解答が秘められているはずと信じることにするんだよ、
シミュレーションの連鎖反応
カリビュレーションの連続生起
ファイナライゼーションの練習継続
ニルヴァナイぜーションの連綿生滅

というわけで、
鴉の勝手に空元気を出すのだ、
おれは。

むしろアトミックどデカダンスで
その意識に終止符を打つ日でも夢見ることにして。

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