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【通信講座】 三題噺「号泣」「ゴミ箱」「惑星」 講評

(作者より)
来年から就活始まり、出版社を狙ってます。採用の科目に作文ってあるんですけど、自分ものすごく書くのが苦手でして、、小説でも脚本でもないんですが、練習用に書いたものを講評して頂けないでしょうか?

との依頼。
はじめてのパターンだが、やってみよう。

(作者より)
一応この文章は60分800字以内の三題噺と言う過去問に沿って書きました(時間内には終わりませんでしたが、、)3つのお題は「号泣」「ゴミ箱」「惑星」でした。本当に拙い文章ですが、どうかよろしくお願いします。


タイプミス、変換ミスがとても目につくが(出版社志望としてどうか)
内容は無難にまとまっている。
就活で求められているのはこのような無難な文章なのかもしれないが
散文芸術の作品として読めば
非常に凡庸な着想で、おもしろくはない。
「号泣」「ゴミ箱」「惑星」からの
意外な連想を期待されているとしたら
評価はされないだろう。


「号泣」「ゴミ箱」で
飲み会、好きな男が女の先輩と「いちゃついている」のを見る、ゴミ箱に吐く、号泣する
というシーンを想像したのだろう。
気持ちは分かるが、誰でも思いつく。
まして、就活の大学生たちが書くならば
「サークルの飲み会」など、もっとも身近な題材であり
同様の発想に埋もれたくないなら、まず避けるべき。

「そんなくだんない事でな[泣]くなよ。この惑星の46億年の歴史の中に当てはめてみ?どうだ?ちっぽけだろ?」

最後の「惑星」は、完全にとってつけている。
「惑星」「ゴミ箱」
「惑星」「号泣」
から着想してみてはどうか。
「号泣」「ゴミ箱」よりは個性的な文章になるだろう。

歴史、音楽、文学、科学、美術、なんでもいいが
自分の得意な分野をつくりなさい。
「惑星」には
ガリレオ、ホルスト『惑星』、ピタゴラス、ボイジャー2号、ゴッホ『星月夜』、プラネタリウム
など、さまざまなイメージの可能性がある。
少なくとも、「大学生」という引き出しから
「サークルの飲み会」を採用するよりは、あなたの個性を表現できる。

構成について。
まず、「吐く」シーンからはじめて
なぜ吐いているのか、なぜ「号泣」しているのか
という謎で読者をひきつけ
「見知らぬ男」に冒頭の事情を語る
という流れが一般的。
語り手と「俊一」の関係をまったく説明していないのは
字数の都合もあったのかもしれないが、効果的。

「そんなくだんない事でなくなよ。この惑星の46億年の歴史の中に当てはめてみ?どうだ?ちっぽけだろ?」
 酔いと悲しみがやっと覚めたからか、ハッとした。確かにちっぽけだ。くだらない。

登場人物の信念、行動理念を変化させるには
「説得」「会話」では不十分であり
かならず「行動」「事件」でなければならない。
自殺志願者に「死ぬな」と言っても意味はない。
生命の価値を実感させる「事件」を通して、成長させなければならない。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


ここまで着き付けられたら誤魔化しも効かない。

突き付けられたら


俊一が翔子先輩と下駄箱の前でいちゃついているのをいた

「いた」 → 見た


あまりにも静かに出て行った為か、店員ですら声をかけなかった。


接続助詞「ため」は、一般的に口語文では漢字表記しない。



店出てすぐの路地に入り、


「店出てすぐ」 → 店を出てすぐ


吐いた生で口の中が乾ききり、日汗書いたせいで手足がガタガタ震えた。

「吐いた生」
 不明。吐いたまま?

「日汗書いた」
 不明。冷や汗をかいた?


鼻先をすすった。

「鼻」をすすった。


突然お音に顔を上げた。

不明。突然の音?


背が高く、髪は乱れ、白い肌着に短パンという、明らかに薄着だった。

「明らかに」 → 明らかな


彼は私の事を横目で見ながら買った水を渡してきた。

「私の事を」→ 私を


酔いと驚きで、軽い会釈したできなかった。

しかできなかった



「!」「?」のあとは全角スペース、
「…」は「……」が一般的。

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