【通信講座】 小説「笑えるカワウソたち」 講評
スウィフト『ガリバー旅行記』、芥川龍之介『河童』などの低劣な模倣。
スウィフト、芥川がとっくのむかしにはるか上空で通過した様式が
高すぎるハードルをくぐってすましているかのように
いまさら書かれる動機が分からない。
読者は、当然ながら過去の傑作ユートピア(ディストピア)小説と比較して読む。
手ごろそうな木に紐を結び、首をかけ、いざ台座を蹴飛ばそうとしたその時でした、視界の先の暗がりに、着物をまとった目のさめるような美人の姿を認めたのです。
自らを殺める前に、あの女を殺してみるのもまた一興。死を目前に、もはや何も恐れていない私はそう考え、いかにもその場に不似合いな美人を追いかけました。いりくんだ足場に気をとられる私に対し、彼女はするするとテンポよく暗闇の中を進んでいきます。あのような格好でどうして、私よりも遥かに速く動けるのでしょう?
「一興」で「女」を殺す人間など存在しない。
恋愛小説だろうが、探偵小説だろうが、コメディー、ファルス、コントだろうが
その他の何小説であっても
リアリティーに興味のない作者の文章など読む価値はないので
ここで読むのをやめてもよかったが
いちおう 8/20 まで耐えた。
当時のエンペラーはご高齢であったことから、お務めを果たすことが困難になってきたとかねてより仰られ、国民の理解を求められていたそうです。これを報道機関は「退位」の意志のご表明と解釈し、報じました。
首相のボナパルテは「エンペラー及び王妃両陛下には、末永くお健やかであらせられますことを願っていません」と辞を読み間違えていました。私はカワウソたちと同様、その誤りにも気付かず、儀式の厳かさに興奮し、そして熱狂していました。現地を中継して映すテレビカメラが、海へ向けて飛び去ってゆく千鳥の群れを捉えていました。
(「その誤りにも気付かず」 なぜか三人称視点)
件(くだん)の河童は実は兵隊だったようでして、森の近辺にある基地に現在もいるようです。
風刺のつもりで時事を書くのはやめろ。
政治に興味があるつもりで
政治家ゴシップしかテレビで見ていないから
浅薄で無内容な、くだらないアネクドートで満足してしまうのだ。
風刺、コメディーは思想にまで達していなければおもしろいはずがない。
(作者より)
普段純文学を書いており、新人賞を目指すに当たって直すべき点をご教示いただけたらと思っております。 私は細部の書き込みに苦手意識があり、主に後半の構成が乱雑になっているのもこの為であると感じています。また、自分の文体は硬めだと思っておりますが、問題はあるのかどうか、客観的な視点が知りたいです。これらについてアドバイスをいただきたいです。
自分だけのことばで、自分だけの主題を書きなさい。
「細部」、「構成」、「文体」などどうでもいい。
そんなことを気にすることのできる水準ではない。
文章に特徴があるとすれば、軽佻浮薄であるということにつきる。
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