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【通信講座】 小説「虫の死体から出る血みたいな……」 講評


暗い。
陰鬱で内省的で
悪い意味で日本近代文学的で
読むにたえない。
と思ったが
意外に読ませる。


見計らったように小さな鳥が、窓に引きずりながらその虫を獲って行った。窓に残ったのは殺された虫の足と濁った血液だけ。その色は赤とか青とかそんな一つの色では表せないような———赤と青と黒と紫と緑と茶色、それら全部を混ぜたような濁った色をしていた。


綺麗だった。羽は不揃いの四角い模様が一つ一つ繋がっていて。落としてしまったパーツを拾い集めたみたいな、そんな風な気がした。


生硬でぎこちないが
ことばにうそがない。
自分だけのことばで書こうとしているのは好印象。

語り手の内面を
人間との関係性、特殊な事件において描写できれば
立派なビルドゥングスロマンになる。
ご健筆を。

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