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【通信講座】 小説「おやすみ、ネオンテトラ」 講評


語り手「日和」と「香織」を
死んだ「ネオンテトラ」に象徴させるという
ごく単純な趣向。
破綻はないが、おもしろくはない。

タイトルも
「おやすみ」「さよなら」は
もう見あきた。


「あつらえられた水槽の中で、与えられた餌で生きながらえて、ずっとずっと愛でられるのってさ」
 香織の目が私の方を向く。その瞳は吸い込まれそうなくらい深い色をしている。水深何メートルだろうか。じっと私も見つめ返していると、香織がふにゃりと笑った。無邪気な笑い方だった。
「なんか、私たちみたいじゃない?」

自信がないのか、「香織」に言わせているが
どんなに感受性がとぼしい読者でもさすがに分かる。



目の前には私と香織の白い膝が、赤いシートの上で行儀良く並んでいる。

観察の行き届いた正確な描写も散見されるが
ほとんどは明白な「嘘」であり
なにより、古い。
赤川次郎の時代の描写。
「香織」が照れたときにはきっと「ペロッと舌を出す」だろう。

目も口も丸く開いて、そのままぽかんとしてしまっている。

唇を尖らせてぼやく香織は、少し可愛い。

うまく言えないな、と言って香織は眉間に皺を寄せる。

香織は大げさなため息を吐いてみせる。





(作者より)
・特にアドバイスしてほしい点
今読み返すと、文章が不自然な気もします。もともと文章のリズム感や綺麗さに疎いので、アドバイスがほしいです。
あと、作品構成は自分なりに工夫した記憶がありますが、実際のところ効果的に働いているのか、ご意見いただきたいです。

文章が不自然だとは思わない。
古い。
いちいち動作を書くと、へたなパントマイムのようになるので
必要な描写を選択し、「書かない」能力のほうがむしろ重要。

ロードムービー的に目的地に向かうまでのあいだ
回想、モノローグを挿入するという、よくあるが
非常に効果的な構成が実現していると思う。


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