【通信講座】 小説「つめたいおふとん」 質疑応答②
作品の講評そのものについては、恐らく今は私の知識が足りておらず、
川光さまの講評の言葉の意味がうまく掴めていません。
「三幕構成というものが非常に大切らしい」ということを、ここ最近の2週間で知りました。
この三幕構成の二幕めの役割である「対立」「衝突」が、
前に仰っている「事件とそれによって生じるコンフリクト」の位置づけなんでしょうか。
基礎中の基礎まで川光さまのお手を煩わせるわけにいきませんので、
この辺りは私がもう少し自分で勉強します。
そのような卑屈な言いぐさはおやめなさい。
私はあなたの先生ではないし、あなたは私の生徒でもない。
作者と読者という関係のもと、個人的な感想を申し上げたにすぎない。
あなたが私から学ぶことがあればいいとは思うが
私もあなたの作品から多くのことを学べる。
本当はなんと言われたいのか。
私になんと言わせたいのか。
慇懃無礼な、相手を困惑させるだけの記述が
人間的なコミュニケーションだとは思わない。
その理解でもちろんかまわない。
ご健筆を。
「最終的にこの二人は上手くいかせる」なら
当然、「まず反発する方向に動か」すべき。
破綻するラストを想定しているなら
当然、それまでは逆の関係性でなければならない。
例えばですが、「別の相手と結婚しているけれどすごく好き合ってしまう男女がいて、一時的に激しい恋愛関係を結ぶ。でも最後はお互い本来の結婚相手のところに戻る」パターンの物語は多く見かけます。これは、表面上の付き合っている付き合っていないは、最初と最後で変わっていないけれど、主人公の内面が変わっている(そうでなければ物語としては未熟)という理解であっていますか?
今までこういったタイプのストーリーに対して「なんだ、結局元通りじゃん!?」と憤っていたのですが、内面の変化を私が読み取れていない可能性が高いのでしょうか。
その理解でもちろんかまわないが
あなたの読解力ではなく、多くの場合は作品に問題がある。
20年前の携帯小説など、積極的に鑑賞しなくてもいいと思う。
模倣しつくして
あきて、卒業したころに自分の文体が完成する。
模倣が成功しているかどうかは、川光さまのような多くの文章を読んでいる人から、どの作者を模倣したか理解してもらえるかどうかをもって確認するのでしょうか。少なくとも練習の過程として、そのような評価を受ける必要があると考えられますか?
模倣の精度など、どうでもいい。
自分が明確に選択した文体へ到達しようとする過程が重要なのであって
漠然と小説っぽい、文学っぽい文体を志向するよりは可能性がある、
作品の主題は「触覚」「嗅覚」ではなく
それらの身体感覚を通じて
女性性の否定、男性性の希求に飛躍することであり
ここがその「飛躍」のシーンにあたるが
作者が自分の書きたいことに対し無自覚なので
この展開まで十分に用意されていない。
全体像が完全に見えている必要はないが
はじめの着想を越えてなにができつつあるのか
客観的に把握できなければ調和した作品はできない。
この作品の主題はタイトルの「つめたいおふとん」では象徴しきれない。
私は今まで「着想」(この話だと「お布団の気持ちよさ、安心感 → 守られたいという欲求を極端な形で表す女性」)を書いてみたい、と感じれば、それが「書きたいこと」「書くべきこと」だと思っていたのですが、小説の作法としては違うということですよね。
川光さまは、他の方の講評で「主題を見つけなさい」という主旨のことを書かれていたと思います。主題とはどうやって見つけるんだろうと思っていました。
作家というのは「主題」に類する書きたいことが、いくつかは明確な形で常に頭にあり、それをどういう人物や舞台装置を使って描くのがベストか……と発想を繋げていくものなのでしょうか。それとも逆に、こういう人物や舞台装置を描きたいな、と思ったところから、なぜ自分がそれを描きたいと心惹かれたのかを考えていくことで、心の底にあった主題を見つけるのでしょうか?
作品の講評を超えた質問をたくさんしてしまっています。川光さまの通信講座の主旨とずれているようでしたら申し訳ありません。よろしくご指導くださいませ。
「小説の作法」など存在しない。
あなたの作品に即して言えば
着想はありながら、その着想をかたちにする技術をまったく知らなかっただけ。
「主題」も狭義の社会問題、政治批判などである必要はなく
文体、構造、様式、実験精神が先立つことは十分にありえる。
「紅茶にひたしたマドレーヌの味」を出発点としてプルーストは世界一長い一人称小説『失われた時を求めて』を書いた。
『ドン・キホーテ』、『ドグラ・マグラ』、『ガルガンチュア』、『失楽園』、『妖精の女王』、『ユリシーズ』に狭義の「主題」を読みとることが正当だとは思わない。
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