【通信講座】 小説「常備薬の森」 講評
『【通信講座】 小説「ボウキョウ」 講評』で
13万字の長編。
冗長すぎる。
20枚で書ける。
未熟な作者の通弊、「物語の時間と言説の時間の一致」
「見聞きし考えたことをすべて書く」をやっている。
性表現のある映画がポルノか芸術かを判断する方法があるという。
(性行為の描写も含んだ)映画のなかで、登場人物が車やエレベーターに乗り込むとき、言説の時間が物語の時間と一致するかどうか確かめるのです。フローベールはフレデリックが長い旅行をしたと言うために一行を使いますが、普通の映画のなかでは、登場人物が飛行機に乗ったかと思うと次のカットですぐに到着しているのにお目にかかります。ところがポルノ映画では、だれかが一〇ブロック先まで車に乗っていくとなると、車は一〇ブロック—現実の時間で—移動します。だれかが冷蔵庫を開けてテレビをつけてソファで飲むためビールを注いだとすると、みなさんが家でそれをするのにかかるのと同じだけ時間がかかるのです。
ウンベルト・エーコ『小説の森散策』
申し訳ないが
1/3しか読めなかった。
不誠実と言われるだろうが、やむをえない。
低俗、凡庸、退屈きわまりない文章を読むことに
これ以上の時間、労力をついやすことは
私にはできない。
赤川次郎の往年の作品を彷彿とさせる
軽さ、読みやすさ、分かりやすさはあるが
赤川次郎の往年の作品のように
2020年9月現在ではとても通用しないくらい、タイトル、文体、会話、語彙が古い。
移動中のひまつぶしには最適だと思う。
描写は正確だが、頭をつかって解釈すべきところはひとつもない。
印象に残る表現も皆無。
と書いた。
6万2000字の中短編。
冗長すぎる。
3枚で書ける。
申し訳ないが
「1」のみ、7/71しか読めなかった。
くだらない小説の読みすぎだ。
ゆたかなイメージを喚起するタイトル「常備薬の森」に
関係があると思われる主題が「1」に書かれているとは
とても信じられない。
ひたすら退屈な主婦のモノローグが垂れ流されているだけ。
(「見聞きし考えたことをすべて書く」)
冒頭、
おかしいな、あの人が消えてる。
どう考えても「あの人」をめぐる物語が展開されると読者は予想するが
語り手の主婦にとっては
「美大時代の同級生」「美穂」の「個展」
娘「みのり」以上の事件ではないらしい。
「見聞きし考えたことをすべて書く」をやめろ
としか言いようがない。
Mr.Children をミスターチルドレンと言う人間は存在しない。
同じように
「スマートフォン」と言う人間を私は知らない。
くだらない小説の読みすぎだ。
語り手には価値観がない。
よって、文体もない。
(作者より)
特にアドバイス頂きたい点は以下の通りです。
・新人賞に応募したものですが、通過しませんでした。
自分ではどこが悪いか分からないので(どこも悪いように思える)、どんなことでも構わないのでご指摘頂けるとありがたいと思います。
・特にストーリーの構成に自信がありません。それ以前の問題の出来かもわかりませんが……。
小説以前の長文ツイート。
「構成」が存在しないので
小説として成立しておらず
なにを読まされているのか分からず、気味が悪い。
いい小説をたくさん読みなさい。
すべての細部が主題とひびきあい、一切のむだがない
という文章を知るべき。
「書きたいこと」ではなく
「書かなくていいこと」を意識しながら創作したほうがいい。
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