詩 41〜45
ふたりきり
よろこびあふれる 空き地では
あなたの名前は セ、リ、ア
確信している かたくなに
そこに意味でもあるように
消去しようよ いやなやつ
算数しても分からない
国語の教科書 つまらない
どこなの ただしい植物相
うれしいよ そのシンパシー
だけど 歯向かう 否定する
だから 減らない 体重は まだ
もう絶対に 上機嫌
これでおしまい しあわせだ
呼吸困難 がまんしたなら
日々の焼却
放課後 飛ばす 飛行機は
エンジン プロペラ 乗客も
みんな 千代紙 紅千鳥
どんなに濃くても かまわない
不条理なのか 磁石では
心と心は化粧して
めぐり会えない なんでだろう
くさって落ちた 拾えない
大事な 大事な 両腕は
あなたの夢の両腕で
縫いあわせても 動いてくれない
記念写真に焼きついた
完璧な顔 いまは もう
そこにしかない ドーナツ食べた日
人造原石
今日はなにからはじめよう
美貌の烙印 いまはない
いずみのほとりにたどり着く
力をこめた足どりで
今日はなにからはじめよう
失敗しても 生きている
さかまく 幻覚 わたしたち
硬直している 蛍光灯
だってこわくて 焦点も
観察できず むずかしい
裏切者の予感 ひりひり
破裂しそうだ 疑問形
どんなに性格悪くても
あなたは天使 嘘をつけない
バルバロイ
工事現場の絶叫の
こだま ささやき 恋人の
命は いまや 戦慄の
まっただなかで よじれ あえぐ
手は 手は 手は銀 必要か
乾燥しない それはいい
超能力で いや むりか
宇宙の麻痺も 救えない
つかんだ つかんだ レールの端
地下水しみて あたふたと
冗談じゃない あわれな人だ
送りつづけて 信号を
無視されるなら わたし 砂
青い花になれ まだましかもね
無限抱擁
まるく座って まんなかに
わたし 座って 泣いている
とびかう声と 音 光
大人になりたい なりたくない
理解したくて したくない
もやもやしてて 大きくて
見える 見えない まっくらな
見えるふりする万華鏡
つまり 呆然 手も足も
出ないで 体 きしむから
お別れなんだ もう行きましょう
やわらかいまま 足の裏
耳たぶさえも無防備で
こわした誰かをゆるさないから
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