【詩の書き方 23】
つまり、彼らが前世代の詩を、それが頭脳に残す味覚のために賞賛したこと自体は正しかったのだが、そういう味覚を読者の頭の中につくり出す過程で、頭の中の味覚のようには感じられない仕事をひじょうにたくさんやらねばならないことを見逃した。そのため、頭の中に概念として一つの味覚をもち、それをそのまま紙に移そうとしたために、彼らのつくり出したものは輪郭のぼやけた、ひとりよがりで面白くないものになったのである。
エンプソン『曖昧の七つの型』
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