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「YAKINIKUMAFIA IKEBUKURO」から考える日本における『チップ文化』

2021年10月29日の記念すべきグランドオープン日に、念願叶ってついに行かせていただきました。

「YAKINIKUMAFIA IKEBUKURO」

尊敬してやまないYouTube講演家の鴨頭嘉人さんがオーナーを務める焼肉店で、ホリエモンこと堀江貴文さんがプロデュースしている「WAGYUJISUKAN(ワギュジスカン)」を堪能できる日本発のエンタメ型焼肉店です。

「尾崎牛」という日本を代表するブランド牛を、なんと一台50万円する「ワギュジスカン鍋」という専用の鍋で、何とたったの「1万円」で味わい尽くすことができます。

そしてもう一つ目玉が「チップ」です。

「チップ」と聞くとアメリカなど海外のことで、日本ではあまり馴染みがないと思います。なんと鴨頭さんは「飲食店で働く全てのサービスパーソンが自分の仕事に誇りが持てる世界を作る。承認の世界を作る」その思いの実現のためにこの「YAKINIKUMAFIA IKEBUKURO」をチップのモデル店舗としてオープンさせました。

飲食店で働いている人が、給料を上げるためには店長など管理職に昇格するしか方法がありませんでした。しかしこのチップがあれば、ずっとサービス業をしながら、より高い給料を得ることもできます。

私も長年飲食店で働いてきましたが、給料をあげようと管理職を目指した結果、体調を崩し昇給のチャンスを自ら放棄してしまい、退職したという苦い経験があります。

そんな私から見ると、このチップが広まれば、自分と同じような思いをする人がいなくなり、より良い世界になるのではと期待しています。

ぜひこのチップという文化が広まってほしいと考え、今回は、私なりにチップについてあれこれと考察していきます。

①チップとは

そもそもチップとは何でしょうか。

欧米などでは昔から慣習、文化として根付いています。

例えば、ホテルでの宿泊(ベッドメイキング、ルームサービス、ベルボーイによる荷物運搬等)さらにタクシーの利用、レストランでの飲食はもちろん、理容店や美容院、なんとトイレの使用などに対しても、観光旅行の場合には、ツアーガイドさんやドライバーに対して支払うことがあります。

アメリカのレストランでは合計金額の「15%から20%」タクシーでは「10%から15%」と相場が決まっており、ヨーロッパ各国も合計金額からの割合に多少の違いがありますが、ほぼ似たような感じとなっています。

このように、アメリカはもちろんヨーロッパでもチップを渡す文化があります。

では日本ではどうなのでしょうか。

もうご存知の通り、日本ではチップを渡すという慣習がありません。

一部の飲食店では、サービス料や商品代金から無意識のまま徴収されているので、馴染みの無い習慣となっています。

ちなみに、アジア圏ではどれくらいの国にチップ文化があるのでしょうか。

2012年にマスターカードが行った調査では、チップを渡す比率が高い国として「タイ89%、フィリピン75%、香港71%、インド61%、マレーシア40%、インドネシア40%」と発表されました

他に台湾17%、韓国13%と続き、なんと日本は「3%」だったそうです。

欧米では一般化しているチップですが、近年煩わしいと思う人も増えているそうです。「チップをわざわざ計算して渡すのが煩わしい」「疲れるし、威圧的で、とにかく高い」と良くない印象を持っている人が徐々に増えてきています。そうような理由から、チップを廃止する店も出てきています。

さらに「白人や黒人、男性より女性の方が少ない」と人種や性別によってチップの額が増減することもあり、差別意識を生むという批判もあることは事実です。

②実際にチップを体験してみて

私は海外旅行の経験がないため、今回の「YAKINIKUMAFIA IKEBUKURO」のチップ体験が人生初のものでした。

今回は貸切ランチ会というイベントだったので、参加者一人一人に1000円分のチップ券(200円×5枚)が配られスタートしました。

始まってすぐあまりの盛り上がりに私は、若干引いてしまいます(笑)

まずはステージパフォーマー(「YAKINIKUMAFIA IKEBUKURO」ではスタッフさんのことをそう呼びます)のマイクパフォーマンスからスタート。

ライブのような盛り上がりで、お店の中のボルテージは一気に最高潮に。まるで札束が飛び交うバーレスク東京(行ったことはないですが)のようになった店内に、完全に引いてしまいました(笑)

私がこういう雰囲気に慣れていないということが原因なので、お店やステージパフォーマーには罪はありません。

完全に雰囲気に飲まれてしまった私は、チップを渡すことにも躊躇してしまい、食事に専念します。正直な話、このままチップを渡さずに帰ろうかなとも考えましたが、周りではチップが乱れ飛んでいますし、そういうわけにもいかないかと、思い切ってステージパフォーマーにチップを差し出します。

そこで私の心は救われます。

渡したステージパフォーマーの方がとんでもない笑顔で受け取ってくれたのです。もうあの笑顔に本当に救われた。

チップのモデル店舗なので、受け取らないなんてことが絶対にないのは、わかっていましたが、満面の笑顔で受け取ってもらえるのは、渡したこっちからしても本当に嬉しかった。

その出来事をきっかけに、気持ちを持ち直すことに成功した私は、おどおどしながらも残りのチップを無事渡し終えることができました。

最後まで美味しくいただいた私は、次の予定があったため、一緒に来ていた方達よりも早めにお店を後にしました。

誤解がないようにお伝えしておきますが、私が参加したのはイベント会だったため、バーレスク東京のような雰囲気になってしまいましたが、通常営業はこんなことはありません。もう少し落ち着いて最高級の食事を楽しむことができます。

最高級の料理と初めてのチップ体験を経て、私が最初に思ったことは・・・

「もっとの多くの人に広まってほしい」

ということでした。

そこでどうしたらチップ文化が日本の社会に根付くのか、私なりに考えまとめたものをここで記事にすることに決めました。

次からいよいよ本題、チップが日本に根付くためにはどうすればよいのかを、考察していきます。

➂日本でチップは根付くのか

今後、日本にチップ文化が根付くためのネックはどこにあるのか、私になりに考察してみました。

○1,チップの基準はいくらになるのか

まずは日本でチップを普及した場合、支払うチップの値段の基準はどれくらいになるのかということです。

先述した通り、世界ではだいたい「10%から15%」が主流となっています。では日本のチップはいくらが妥当なのか。

ちなみに「YAKINIKUMAFIA  IKEBUKURO」はお会計の際、お客様が自分でチップの値段を決めることができます。今後この形が続くのか、アメリカのような形になるのかわかりませんが、

今の「YAKINIKUMAFIA  IKEBUKURO」の決め方がベストではないでしょうか。

「合計金額の10%から15%」となると、わざわざ自分で計算しなければいけませんし、少なすぎても多すぎても良くないという雰囲気が出来上がってしまいそうな気がします。

それでは窮屈に感じるお客様も出てきて、やっぱりない方がよかったということになりかねません。(実際に世界ではそんな動きも出始めています)

ですから日本では「チップの値段はお客の好きなように決めることできる」

これがベストかも。

「今日はすごくいいサービスをしてもらったからいつもより多めに」

「今日は給料日前だから、申し訳ないけどちょっと少なめに(笑)」

なんて好きなように、幅を広く持たせておくといいですね。

またスタッフさんからの立場から考えると、上限がない方が、もっといいサービスをしよう、もっと喜んでもらおうというモチベーションアップにもつながるのではないでしょうか。

○2,大事なのは受け取る側のマインド

一番大きいのはこちらではないでしょうか。

渡す側のマインドも、もちらん大事ではありますが、受け取るスタッフさんが「受け取ります」というマインドなければ絶対にうまくいきません。

想像してみてください。素敵で気配りのできるスタッフさんにあなたが勇気を出し、チップを差し出したとします。しかしスタッフさんから「受け取れないです」と断られてしまったらどうでしょうか。

きっとあなたはショックを受けて、チップを渡すことに恐怖を感じてしまうのではないでしょうか。

「YAKINIKUMAFIA  IKEBUKURO」ではその点は解決されています。

先ほども書きましたが、ステージパフォーマーは皆さん喜んで受け取ってくれます。実際に自分が体験してこれは本当に重要だと気がつきました。

私が以前の働いていた飲食店で、お客様からチップを渡されたとしたら、おそらく全てのスタッフが断っていたと思います。良いサービスをしていても、どれだけ周りから勧められても、絶対に受け取らないでしょう。

それだけマインドというのは高く、頑丈な壁として存在します。

その高く、頑丈な壁を取り払われているステージパフォーマーは素晴らしいの一言です。

さすがは「チップのモデル店舗」!

そこからさらに考えると、今ある飲食店にチップを導入するのは難しいのではと思いました。私が以前いた飲食店の同様、他の飲食店でも同じようなことになってしまうのではないでしょうか。

「お金のためにサービスしているわけではない」

「私だけもらうのは、他のスタッフに申し訳ない」

などなどスタッフさんが断る理由は多々あります。このマインドを切り替えようと思ったら、かなりの時間と労力が必要です。

一つの解決方法としては新店、これから新しく開けるお店のスタッフさんに、オープン前から「チップを受け取ろうマインド」を教育をしていくことが効果的かもしれません。

「受け取らないマインド」を壊すよりも「受け取ろうマインド」を作り上げていく方が絶対に効率がいいです。

そういった観点から考えても、オープン前から「受け取ろうマインド」が作られている「YAKINIKUMAFIA IKEBUKURO」は日本のチップモデル店舗として相応しいことは間違いありません。

○3,お金を稼ぐことへのメンタルブロックをどう取り去るか

次に問題になるのはお金に対するメンタルブロックです。

わかりやすく言うと

【「稼ぐことは良くない」という昔から日本人の心に根付いている悪しき考え】のことです。

先ほども書きましたが、スタッフさんの心情として「お金のためにサービスしているわけではない」というメンタルブロックがあります。

この心情の大元にあるのは「お金を稼ぐ=悪」というマインドだと思います。

あなたの中にも「お金を稼ぐ=悪」という感覚がどこかにあるのではないでしょうか。

一度立ち止まって考えてもらいたいのですが、本当に「お金を稼ぐ=悪」でしょうか。

そもそもなぜ日本人の中に「お金を稼ぐ=悪」というマインドが根付いてしまったのか。私が考える一つの原因は、メディアから受け取る情報です。

テレビのニュース番組然り、ネットニュース然り、お金関連で多く取り扱われる題材と言えば「横領」「振り込め詐欺」「脱税」などです。このようなニュース、情報ばかりを見たり聞いたりしていると、無意識のうちにお金を稼ぐことは悪いことだと、イメージを植え付けてしまいます。もちろんこれらは犯罪行為なので、許されることではありません。

しかし、世の中のお金を稼ぐ行為は、これだけでしょうか。そんなことはないはずです。真っ当な商売をしてお金を稼いでいる人はたくさんいます。

では、なぜこんな短絡的なイメージがついてしまうのでしょうか。

私は大きな要因として「想像力の欠如」ではないかと考えています。

テレビのニュースやネットニュースから、一つの情報を受け取った際に額面通り受け取るのではなく

「この事件の裏には何かあるのだろうか」

「そもそもこの情報は合っているのか」

「これだけでは見えてこない背景があるのではないか」

想像力を養うことができると、こういった物の見方、考え方ができるようになります。

では、この想像力を鍛えるために最も適したものはなんでしょうか。

それは「小説を読むこと」です。

漫画や絵本と違い、小説は文字しかありません。ですから読者は、小説の中に出てくる登場人物の姿を頭の中で思い浮かべ、中に描かれている一場面一場面のイメージを想像しています。

そうです。「小説を読むこと」で自然と想像力を鍛えることができます。

そしてなんと、私は自分が書いた小説を、全て無料で公開しています。

ぜひ一度読んでみてください。するとこれまで感じたことのない世界を、感じることができるはずです。

話が脱線してしまいましたが、今後チップが社会に広まっていけば、必ずこういった意見が出てくると思います。

「金のためにサービスするなんて良くない」

「チップのために作った笑顔なんて嘘くさい」

このように想像力が欠如した人々から、批判されてしまうかもしれません。

はっきり言います。

こんな意見は無視するべきです!

何度も言っているように、お金を稼ぐことは悪ではありません。働くと言うことは、稼ぐことです。

しかも「YAKINIKUMAFIA  IKEBUKURO」では必ずをチップを払わなければいけないという決まりはありません。

ステージパフォーマーのサービス内容が気に入らなかったらチップを払う必要はないんです。逆に言うと、チップを支払う人はステージパフォーマーのサービスに感銘を受け、自らすすんで自分の稼いだお金を、納得した上でチップとして払っています。

何もおかしなことはありません。

チップを支払う人も受け取る人も、想像力の欠如したちんぷんかんぷんな意見に惑わされず、堂々と胸を張っていればいいのです。

④最後に

チップの話から脱線してしまう箇所もあり、長くなってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。

元飲食経験者として、このチップが文化として根付いていくことを、心から願っています。

そのために私が出来ることと言えば、記事を書くことと「YAKINIKUMAFIA  IKEBUKURO」でチップを配りまくることです。

なので、また必ずお店に行きます!

最後の最後を自分の決意表明で締めるというおかしなことになってしまいましたが、最後までおつきあいいただきありがとうございました。

チップの話ばかりしましたが、料理は本当に美味しかったです。芸能人ではないので食レポはしませんが、そこは間違いなし。

ちなみに「YAKINIKUMAFIA  IKEBUKURO」は会員制ではありません。席が空いていれば当日でも入ることができます。ですが大人気店なので、予約してから行くことをオススメします。

↓予約はこちらからできます。

ぜひ皆さんも足を運んでみてください。

ではまた。

小説家の川井利彦でした。



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