
みんな小説を書けばいいのに
皆さん、こんにちは。小説家の川井利彦です。
今回は「みんな小説を書けばいいのに」と題して、私が日頃からちょっとだけ思っていることをお伝えします。
「小説を書く」と言われると、皆さん難しいように感じるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
漫画や絵本、映像作品の方がよっぽど難しい。
なぜなら小説は文字だけで表現できるコンテンツだからです。
例えば……
「ここは宇宙である」
このたった8文字を書くだけで、あっという間に宇宙を作ることができます。
漫画や絵本であれば、輝く星や惑星、宇宙船、さらに宇宙を漂う宇宙飛行士などを絵で描かなければなりません。
映像作品であればさらにそれに動きをつけなければならない。いくらCGやAI技術が進化したとはいえ、まだまだ人の手が必要となってきます。
その分時間もかかるし、他の人の力を借りる場面も増えてくるでしょう。
では小説はどうでしょうか?
「ここは宇宙である」とキーボードに打ち込むだけで、そこに宇宙を描き出すことができます。
もちろん詳しい情景を書き足してもいいです。星々の様子や惑星、太陽の光に輝く宇宙船など作者の自由に書いていけばいい。
別に「ここは宇宙である」だけで、詳しい情景を省いてもいいんです。
なぜなら、読者が勝手に「自分なりの宇宙」を想像してくれるので、この一文だけで充分意味を与えることができます。
こんな簡単に宇宙を描けるコンテンツが他にあるでしょうか。
小説は「文学」と呼ばれているので、何かしらの「学び」「為になること」が必要であると考えているかもしれませんが、そんなことはありません。
昔であれば、読者もそういうことを求めていたと思いますが、これだけコンテンツが溢れる現代社会で、小説に「学び」を求める人は少なくなっているはずです。
現代人がコンテンツに求めるものは…
ズバリ!ヒマつぶし!!
テクノロジーの進歩で現代人は時間を持て余しているので、ヒマつぶしになるコンテンツを求めています。
小説にいちいち「学び」なんて求めていない。
ですから、気軽に楽しく小説を書いていけばいいのです!!
前述したように、現代人はヒマしています。
ヤフーニュースのコメント欄をご覧になったことがありますか?
自分の人生には1ミリも関係のないニュースに何百件のコメントがついています。
芸能人が不倫をしようが不祥事を起こそうが、あなたの人生になんの影響があるのか。仕事がなくなるわけでもないし、税金が上がるわけでもない。
それでもものすごい数のコメントがつくのは、みんなヒマだからです。
「そんなにヒマしてるなら小説を書けばいい」
先ほどお伝えした通り、小説を書くのは簡単で気軽に始めることができます。(本気でプロを目指す場合は別)
しかも今は、自分の書いた小説を無料でネット上に公開することが可能です。
ですので……
そんなにヒマしてるなら小説を書きませんか?
ちなみに私もヒマしています。
毎日7時間は寝ていますし、仕事や子育て、家事をしながら、小説を書いたり記事を書いています。
そう!結局みんなヒマ!
だから、小説を書きましょう!
そんなことを日頃から考えている小説家の川井利彦でした。
そんなヒマ人が書いた小説を読んでみませんか?
寛太と忠が万引きした本の中には、謎のメッセージが残されていた。消された形跡のある、まるで手紙の一文のようなメッセージを書いたのは、いったい誰なのか。そして消されたメッセージには、いったい何が書かれていたのか。ひょんなことから、それらを探すことになってしまった寛太と忠。そこにはある女性の暗い過去が関係していた。
果たして、寛太と忠は真実にたどり着くことができるのか。
それではまた次回の記事でお会いしましょう。
小説家の川井利彦でした。