「親の若い頃」を知る10の質問。年末年始は家族の歴史を知るチャンス!
年末年始には、久々に親やきょうだいと会う人も多いでしょう。
社会人になって仕事や自分の家庭のことで忙しくしていたけれど、「久しぶりに親に会ったら、ずいぶん年をとったようでドキッとした」なんてこともあるのではないでしょうか。
懐かしい顔がそろうこのタイミングを活用して、いろんな話をして、親子間のコミュニケーションをはかってみませんか。
親の若い頃の話や、思い出を引き出す「質問リスト」を作ってみました。
年末年始に、家族と顔を合わせる貴重な時間に、会話のきっかけとしてぜひ参考にしてください。
親が元気なうちに、いろんな話を聞こう!
よく「親の介護」の問題が話題になりますが、「親が倒れたら介護」で、それまでは何もしないのでは、いろいろ遅すぎます。
「うちの親はまだまだ元気だけど、衰えはじめたかも……」と感じたころから、新しい親子の関係づくりを心がけてみてはいかがでしょうか。
それには、ひとりひとりに語るべき人生、積み重ねた歴史があるととらえる「自分史」の考え方がお役に立つと思います。
自分も大人になった現在、親が元気なうちに、ちょっとした機会をとらえて、親の話をいろいろ聞いてみましょう。
「思えば、親の昔のことはよく知らない」ということもあるでしょう。
一度にたくさんでなくてもいいので、機会をとらえて、少しずつ話を聞いてみませんか。
親に聞いてみたい10の質問
1.「小さい頃、どんな遊びが好きだった?」
子ども時代の思い出について聞いてみましょう。
おもしろいもので、年をとって最近のことは忘れっぽくなっても、子どものころのことは実に細かく生き生きと覚えているものです。
2.「学生時代に夢中になったのは、どんなこと?」
親の学生時代のエピソードも、意外と知らないものです。
時代や土地柄が感じられる話が聞けるかもしれません。
3.「どうして今の仕事(または過去の仕事)を選んだの?」
仕事の選択(あるいは、仕事をせず専業主婦を選んだこと)について、聞いてみましょう。
自分と違うところ、意外に似ているところが見えてくることも。
4.「どんなふうに出会って、結婚を決めたの?」
結婚のきっかけについて、聞いたことはありますか?
もしすでに知っていたら、「初めてのデートのときの印象」など、少しつっこんで聞いてみるのもいいでしょう。
5.「私(子供)を育てる中で、大変だったことは? そして、嬉しかったことは?」
子育ての苦労と喜びについて、聞いてみましょう。
自分が大人になった今だからわかる話もあるでしょう。
6.「これまでの人生でした、大きな決断ってどんなとき?」
人生の転機は、誰にもあるものです。
自分の苦労や決断の話をしながら、水を向けてみましょう。
7.「若い頃から続けている趣味や特技、始めた時期やきっかけは?」
趣味や特技について、なぜ始めたか、どんな喜びや苦労があったか、交友関係、もし辞めたならその理由などを聞いてみましょう。
好きなことについて語るときは、誰でも表情が生き生きとします。
8.「おじいちゃんやおばあちゃんが若いころのこと、聞かせて?」
家族の歴史については、聞けるときにぜひ聞いておきましょう。
特に、前の世代の人たちについての思い出話は、親世代からしか聞けないことがたくさんあります。
9.「これまでの人生で学んだ大切なことってどんなこと?」
人生の教訓、なかなか正面切って聞くことは、家族だからこそ少ないですね。
苦労話や失敗談と合わせて聞くことができれば、そう思うようになった理由もよくわかります。
10.「これからやってみたいことや、叶えたい夢はある?」
将来の夢について聞いてみましょう。
何歳になっても、明日を楽しみにする気持ちも、未来もあります。やりたいこと、叶えたいことはきっとあるでしょう。
質問の仕方や会話の進め方
こうして並べてみると、「そんな話を、今さら改まって親としたことないな」と思われるかもしれませんね。
親は親で、「そんなこと今さら言わなくたって、子どもは自分の背中を見てわかってくれてるよ。それでいいよ」と思っていたりもします。
でも! 言葉にしなくては伝わりません。
「家族だからこそ、いきなりこんなことを話す雰囲気にならない」ということもあるでしょう。
お正月や帰省といった、ちょっと特別な時間は、その垣根を少し低くしてくれます。
「前から聞いてみたかったんだけど……」
「そういえば、知らなかったなと思って……」
というふうに、切り出してみましょう。
また、一方的に質問攻めにするのも、尋問のようであまりよくありません。
きっかけは、先に自分のことを話すのが始めやすいでしょう。
たとえば……
最近の自分の家族の話。
仕事で大変なこと。
ちょっとしたうれしいニュース。
懐かしく思い出すこと。
そんな、「自分の話」をまずして、そこから「お父さんは?」「お母さんは?」と質問してみると、話が広がりやすいでしょう。
答えを記録する方法
まずは、興味をもって親の話を聞くことが、一番大切なことです。
昔のことや親自身の話に「子どもが興味を持っている」と感じてもらい、気軽に話してもらえる関係を作ることに、最初は重点を置くことです。
可能であれば、初めて聞く話や、おもしろい話が出てきたら、メモをとるといいでしょう。
また、今はスマートフォンという便利な道具があります。
「ちょっとメモがわりに録音していい?」と録音させてもらったり、見せてもらった資料を写真に撮ったりしてもいいでしょう。
質問で親子の絆を深め、家族の歴史を知ろう
親子の関係は人それぞれですから、「親子でこういう話はしない」方も、「もうそういうことは家族の間でよく知っているよ」という方もいるでしょう。
でも、顔を合わせて話す時間が少ないために、こういう話をしたことがない方も多いと思います。
そして実際、親が年をとって認知症になったり、介護が必要になってから、「もっと話を聞いておきたかった」という人も多いのです。
特に、家族の歴史や、祖父母以前のルーツについては、親が元気なうちに知っていることは聞いておきたいものです。
第二次世界大戦の頃、祖父母は何歳でどんな暮らしをしていたか、親が何歳でどんな体験をしたか。聞けば歴史が連綿とつながっていることが実感できます。
せわしない年末年始、いろんなイベントや予定があって忙しい時期と思いますが、ぜひ、親と話ができる貴重な機会ととらえて、いろんな話を聞いてみてくださいね。