才能の見つけ方|才能は人との関わりの中で発揮される

「自分にはどんな才能があるのか?」

私たちはこのことにとかく興味を惹かれる。自分の持つ良い特徴を知り(願わくば平均から逸脱するような天才性を発見し)、それを活かして生きたい、という気持ちは強い。

有名な才能や性格の診断には、クリフトンストレングス、ウェルスダイナミクス、VIA、ビッグファイブ、ホロスコープ、数秘術、エニアグラムなど。いずれかは試したことがあるという方は多いだろう。

しかしどの診断でも、視点は「固定された才能」を探すことに向きやすい。

才能の本分とは、それが「どう活きるか」であり、関わる人や環境に応じて、その組み合わせや状況の必要に応じて、発揮のされ方は変わるものだ。


ということを頭でわかってはいても、「アナタは戦略的思考能力がとても高いですね」と言われればあらゆる場面で戦略性を発揮したくなるし、「共感性は低い」などと言われれば共感が必要な仕事は避けようとするだろう。

このあたりは、いわゆる「才能診断」によって陥るネガティブな部分で、「状況に関係なく価値の変わらない固定の才能がある」と思い込んでしまったり、「どのような状況においても常に"ドリル"を使おうとする」ような視野狭窄を起こす。

「才能とは状況に関係なく固定されたものである」と思い込み、それを見つけるための正解を探したり、「それさえ見つかればいつでも価値を産み出せるはずだ」という勘違いは、自分が本来持っている力や発揮できたハズの可能性を、狭い箱の中に押し込めたままにしてしまうような結果をもたらす。


有名な才能診断系の知識やツールにはここに大きな問題があるが、そこに気づくこと自体が難しく、結果として「自分の才能"らしき"もの」は見つけることができても、それを現実的な仕方で=自分の現在の環境に適応させて活かすようなことはできない。

私も一通りの才能診断系は試し、自分なりの活用法も作ってきたけれど、これまで「この問題」をクリアさせてくれうる才能テストや才能本を私は知らなかったし、そもそも才能を探す際にこういった問題があることを明確に認識できてはいなかった。


そんな中にあって先日見つけた「才能の地図」という書籍は、これまで「イマイチ使えない」で終わっていた「才能に関する話」を、全部まとめて復活させてくれるような驚きのものだった。

こちらは「自分にばかり目を向ける」ことになりがちな才能テストと違い、自分の周りの世界にしっかりと目を向けさせてくれて、変化する環境に応じて現実的に結果を出せる自分の「才能」を創り出すことができる。

一過性のものではなくずっと役に立つ考え方なので、学んで絶対に損はない。この本を下敷きにしたワーククラスを開催したいくらいの良本。

自分の才能を自在に発揮したい方には強くオススメする。見える景色が変わると思う。ただ、読むだけで自分の才能に出会えることはないので注意。

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