いけばなお稽古日記 ~花は時代を超える~
こんにちわ。
いつもありがとうございます。
初めに自己紹介が入りますので、ご存じの方はそこを飛ばして読み始めていただけると幸いです。
久しぶりの投稿です。
国の補助金対応や国家試験などが重なり、かなり空いてしまいましたが、以前よりもボリュームを少し減らしながら、投稿していきます。
今日の記事は、奈良教室での6月18日のお稽古の備忘録です。
簡単に自己紹介
初めまして!
ご覧いただきありがとうございます。
田中俊行と申します。
私は金融業界出身で現在日本文化に携わる仕事をしています。
元々、実家がいけばなに携わる仕事をしていたのと、大学時代の専攻が美学だったこともあり、回りまわって現在は仕事の6割くらいを日本文化に関係する仕事をしています。
残りの4割は公益社団法人の運営とその1事業として補助金申請や経営計画立案など中小企業者様向けの経営に関するコンサルティング業務を行っています。
金融業界時代は証券業界に所属していました。
主には資産規模で5億以上の地域の富裕層をターゲットとして、金融だけでなく不動産などの金融以外の資産管理の助言を行っていました。
そのあと、自分自身が所属する日本では会員数最大、歴史は最古の流派である池坊華道会に所属し、2年間中で会員管理や、全国のいけばな教室のサポートを行っていました。
noteをやり始めようと思ったのは、以下の理由からです。
①日本の生活文化についてもっと多くの方に知識として知ってもらいたいということ、②日本は経済活動を中心に戦後復興を成し遂げてきたために、現在あまりにも文化的な教養の無い人が多いと感じるために多くの方々へメッセージとして届けたい、この2点です。
私自身、SDGsをEducate、いわゆるSDGsを教育するESD(ESDはこちらへ)ということに関心を持っていてそれに個人や公益社団法人の理事として取り組んでいます。
古くから日本の生活文化の中には、SDGsの持続可能性という言葉が無意識ながらに取り込まれていることを1つの研究材料として私自身がとらえる中で、日本の文化の独自性についてより知ってもらいたいと思ったのが日本文化の発信活動をはじめたきっかけです。
グローバルな舞台でも、AI化が進む中でも、より国民性や個性といったそれぞれが持つ多様性が大切にされる時代になっていくことと感じています。
それぞれが持つ独自の個性やその集まりであるその国の持つ文化が、世界平和の礎となるようにと思っています。
いけばなの先生をしている手前、いけばなに関することが中心になるかと思いますが、皆様の生活の中での参考になれば幸いです。
今回のお稽古は
生花正風体の3種生でした。
使用した草花は、1つは向日葵、フトイ、撫子を、もう1つは姫がま、深山ななかまど、撫子でした。
本日の作品について
生花正風体とはなにかというのを知りたい方は上の記事を参考にしてください。
1作目
フトイとヒマワリと撫子をあわせた3種生です。
(ポイント)
フトイの先やヒマワリの花や葉をそれぞれの茎と茎の間の空間に配して、写真映えするようにしています。
生花では隣あう線が交差するのは極力避け、1本1本の茎がはっきりとみえるように生けるのがよいとされています。
フトイの穂(=花)が大きくなびく姿をあえて見せていますが、それを強調するために、体に使用した撫子は極力外に開かず、中心部分に固めて生けています。
2作目
姫ガマ、深山ナナカマド、撫子の3種生です。
(ポイント)
姫ガマの線を1枚1枚丁寧に見せながら、優雅な空間を作っていきます。
姫ガマの柔らかい線に対して、深山ナナカマドの硬い枝の線を取り合わせ変化をつけています。
深山ナナカマドの先端部分を優雅に見せるため、撫子は外に開かず中心よりに固めて使っています。
3作目
(ポイント)
2作目と同じ草花を使っていますが、深山ナナカマドの量を減らし、姫ガマの量を増やしています。
それにより、作品全体に柔らかさが出ています。
体には撫子を使っていますが、2作目と違い、一番前に深山ナナカマドの葉を使っています。
ガラスの器を使用していることからも、みずみずしい草物(姫ガマや撫子)を中心にいけることで花器との調和を意識しています。
本日の思うところ
花は人が意識的に品種改良をしない限り、100年や200年くらいの単位ではその姿・形が大きく変わることは考えにくいと思います。
私が所属する池坊では、古くは室町時代のいけばなの作品絵図が残っています。
これらの作品で見ても、桔梗や百合は今と同じような姿をしていますし、松や桧も当時と今も同じ姿をしています。
そういう意味でいけばなは、500年くらい前に生きた人達が同じように見た草木を使ったモノですので、ある意味、時を超えて現代に昔の作品を再現できる貴重な体験ができるモノとなります。
今回使用した、姫ガマや深山ナナカマドも古くから存在する草木で、昔の人たちもその姿をめでていたことを想像できます。
温故知新という言葉がありますが、多様性が声高に叫ばれる時代だからこそ、自分たちのアイデンティティが眠る、先人たちが積み上げてきた知恵を探ることがこれからの世の中大切になってくると感じます。
本日もご高覧いただき、ありがとうございました。
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