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谷林業さん訪問録


谷林業さんへの訪問

10月末に奈良県北葛城郡王寺町にある谷林業の谷さんのお話をお伺いするために企業訪問させて頂きました。

奈良県の林業の歴史と現状、課題、谷さんが林業に関わることになったきっかけなどをお話頂きました。

元々、江戸時代の頃に山の投資家として谷さんのご先祖が関わり始めたのが事業の開始だったそうです。

昭和30年代までは山林が農用林として価値があり、吉野林業は有料な事業でした。

平成7年の阪神大震災以降、木造住宅の建築基準が厳しくなり、平成10年の台風被害を受けて吉野林業の衰退が始まったそうです。

谷さんは20代で林業に関わり始め、家業の整理や税理士試験の取得を通じて林業に集中する体制を整えてこられました。

山林の価値を正しく算定できる人が日本に存在しないということで、そこを目指して活動されています。

また、自社で管理されている1500ヘクタール(東京ドーム250個分)の森林管理の課題と、在庫調査や木材の商品化に向けた技術習得についてお話をお伺いしました。

吉野林業プロジェクトの一環として、山林のCO2吸収を使ったクレジットによる脱炭素化のプロジェクトもされています。

自社の裏山で地域のカフェと共同で山を体験するイベントを3年連続で行ったところ、5日間で6,000人くらいの方が来られ、今までの山林事業とはちがった新しい事業展開ができるのではないかということに気づかれたそうです。

林業の衰退と土地の相続問題も議論され、特に奈良県の林業の現状が深刻であることが指摘されました。

山林の売買が進められていますが、相続や管理の問題が多く、専門家の不足が課題となっています。

谷さんを中心として、奈良県内で山林の売買ができるインフラ構築を進めていらっしゃいます。


訪問から感じたこと

以前から自治体面積における山林占有率が高い自治体の職員さんとお話すると、話の中の話題の1つとして必ずこの山林の話題があがります。

彼らからしても、そこに住み続けているため新しい山林活用の発想が生まれにくく、当社のようなシンクタンクに相談がくるのだと思います。

私自身も山林を守っていかないと、今ある社寺の建て替えに伴う材料供給ができなくなるため、文化財の保全や伝統建築の技を保存することの支援を自社として行っている立場としては無関心ではいられないテーマです。

杉やヒノキの山林を活用してやりたいと思っている事業は3個ほどあるので、種銭を作りながら仲間を作って進めていけるようにしていこうと思えるきっかけになりました。

There is only way no one can walk besides you in the world. A field’s reaching where or, you aren’t supposed to care. Advance earnestly.
世界には君以外に誰も歩むことの出来ない唯一の道がある。
その道が何処に行き着くのかなどと問うてはならない。
ただひたすら歩いて進め。

谷さんのお話を伺うと、このニーチェの言葉のようなことをされている方がだと感じました。

次回は3月頃に訪問させて頂く予定です。

谷さんに出会いたい方は私にお声がけください。


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