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レコーディング日記㉟何故、演出にこだわるのか
今年の2月は寒暖差が週替わりでやってきていて、
体調管理も一層気を付ける必要が出ています。
皆様、風邪など引かれていませんでしょうか。
さて今回は「演出」についての記事になります。
私はここ数年、有り難い事にイベント音響に加えて「舞台演出」をさせて頂く機会が増えてきました。
そこで、実際の現場での経験も踏まえて、演出の大事さをお伝えできればと思います。
演出とは何か
えん‐しゅつ【演出】[名](スル)
1 演劇・映画・テレビなどで、台本をもとに、演技・装置・照明・音響などの表現に統一と調和を与える作業。
2 効果をねらって物事の運営・進行に工夫をめぐらすこと。「結婚式の演出」「演出された首班交代劇」
辞典で調べると、上記の様な説明がされています。
私が担当する舞台演出の場合は、2番の意味合いが強いです。
イベントを行う際に、まずどんなイベントでコンセプトは何かを確認します。
コンセプトの確認は非常に大切で、コンセプトに沿わない演出をすると
イベント自体がよくわからないモノになります。
結果、せっかく楽しみにしてこられたファンも盛り上がる事ができず、
出演者や主催にも良い時間を提供できません。
格好良さで売り出しているバンドのライブ会場が、ピンク一色でかわいい小動物のグッズを売っていたら、会場と歌のギャップで一体感も出ないでしょう。
どんなステージを作りたいのか
では一体感のあるステージ、空間とはどういう事でしょうか。
これは先述したコンセプトとマッチしているステージ、空間で生み出せると考えています。
格好良さを売りにしているバンドであれば、その会場に来るファンは「格好良いバンドメンバーの姿を観に来ている」という事になります。
であれば、会場の色合いも黒や紺を基調にしたり、照明や映像もバンドメンバーの格好良さが引き立つ様にアレンジします。
さらに衣装やメイク、セットリスト(曲の構成)、MCの話題まで、
一貫して作成し、統一した世界観を作ります。
全てはファンの方が会場を後にする時に満足し、「来て良かった!また来たい!」となる為に、作り上げていきます。
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何故、演出が大切なのか
ここで「来て良かった!」となる為に重要なのが演出になるのです。
仮に何の色も使っていないただの電気をつけて、無音の中でメンバーがステージに登場したとしたらどうでしょう。
そしてスクリーンにも真正面からのカメラ映像が映っているだけ。
映る角度が変わったり、メンバーのアップが映ったりもしません。
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この状態では、どんなに最高の演奏をバンドがしたとしても、ファンの方は「来て良かった!」とはなりにくいでしょう。
会場に来ているのにも関わらず、ストリート演奏を遠目で見ているのと大差がないからです。
しかしそこに演出が加わる事で、ステージが一気に華やぐのです。
歓談中のBGMからバンドの登場曲に切り替え、世界観をイメージする映像を流し、始まるまでのセットアップを行います。
演奏が始まれば、曲に合わせて様々な色や効果の照明を使い、バンドメンバーの演奏や歌う横顔を真近に映していきます。
さらに曲のサビに入ると同時に、ステージから大砲の様に「ボンッ!」と煙が出るといった特殊効果を使う事で、会場全体のボルテージを上げます。
こうしてバンドの持つ魅力を引き立たせ、非日常と感じる時間を作り出します。
その結果、「また来たい!」というゴールに向かっていけるのです。
まとめ
今回はバンドのステージを例に、演出の大切さをお伝えしました。
実際はバンドだけでなく、演劇や落語、お笑いやショーがあり、また式典やパーティーといったイベントも数多くあります。
規模の大小に関わらず、イベント全てに共通するのは、参加されている方にどんな感情をプレゼントするかという事です。
楽しいや嬉しい、ワクワクや感動。時には寂しさや悲しさを感じさせる為のイベントもあるかもしれません。
その感情を引き出すのが演出だと私は思います。
最高の時間を提供する為に、自分自身も視野を広げ、より多くの経験を積むことで、演出の手法もイマジネイションも高めていきます。
ではでは☆
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