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レコーディング日記⑳分かち合いたい感覚は努力の先にある光景

前の更新から1か月が経ちました。
さて、今年もあと2か月を切り、段々と寒くなってきました。
街の空気も華やかさと寂しさを混ぜながら、2022年の暮れへと向かっていきます。

機材の扱い方は難しい?

冒頭の文章と全く関係のない記事になります。
最近、ある講演会に参加した際に、音響でトラブルがありました。

左右にあるスピーカーのうち、片方から音が出なくなったのです。
途中までは問題無く音が出ていたのですが、次のプログラムに進んだ途端、
音が出なくなったのです。

もう片方は出てていた為、復旧するまではスピーカー1台で乗り切っていました。
後でわかった事ですが、原因はミキサーの設定に不備があったからでした。

その時の音響担当は友人だった事もあり、設定についてシェアをしましたが、難しそうな顔をしていました。

確かにミキサーやコンプレッサーの様に、つまみが沢山ある機材は扱い方が難しいと感じてしまうのかもしれません。

しかし実は、どんな機材でもやっている事は、意外と単純だったりするのです。

シンプルに考える

沢山の機材を接続し、ミキサー内部でも信号が分岐したりアサインを変更したりすると、信号がどこに流れているかわからないという方がいます。

そんな時、私は「信号の流れをイメージしましょう」とお伝えしています。

信号の流れはとてもシンプルで、アウトプットから出て、インプットに入る。
これだけです。

ミキサーの内部も、インプットから入った信号が、順番につまみを通過し、
マスターと言われる部分に集約されて、アウトプットから出て行きます。

この流れをイメージするのに、「水道管」を例えに使う事が多いです。
水道管に水を流すと、上流から下流に向かって流れて行きます。
これを信号に置き換えると、マイクやPCなどの音源が上流、ミキサーが下流になり、スピーカーが最終的な出口となります。

上流で水質が悪くなれば、当然下流でいくら対策を講じても、綺麗な水にはなりません。
同じように、音源側での設定や音質は、下流に影響します。

こうして考えると、何かトラブルが起きた時にも、どこから確認をしていけば良いかわかってきます。
そして音源が複数ある場合も、その原因を特定しやすくなります。

創り出したいモノをイメージする

信号の流れについて、基本的なイメージができる様になると
機材構成の幅がかなり広がります。
なぜならどんなステージを作りたいのかをイメージし、実現する為に必要な機材構成を考える事ができるからです。

プログラム内容やイベントの趣旨によって、必要な演出が変わってきます。
マイクの本数やBGMも当然変わってくる為、プロデューサーとの打ち合わせは必要です。

そこで「どんなステージを作りたいのか」を共有し、進行をイメージしながら構成図に起こしていくのです。
単純に機材の使い方が解っているだけでなく、実際のステージで起きる事を想定して行きながら、対応できるように構成する必要があります。

プロデューサーや演出家は機材のプロではありません。
音響側から細部の質問をしてクリアにしていくのです。

だからこそ、実際のステージをイメージし、実際のオペレートをシュミレーションしながら、不明点を洗い出していくのです。

「創り出したいモノをイメージする」という力は、
最も大切なものだと言えるのです。

音を楽しむから音楽という

長々と書きましたが、音楽にしろステージにしろ
そこを作っている人間がまず楽しむ事も大切です。

ディズニーのキャストさん達が、仏頂面で立っていたらお客様も楽しめないと思います。
笑顔で迎えてくれているから、楽しめるのです。

音響も同じで、自分が緊張していたり萎縮していると、それが音に出ます。
盛り上げる場面で力不足になったりすると勿体ないのです。

反対に、自分も楽しみながらオペレートをすると音のノリや勢いが増して、
会場の盛り上がりが加速していくのです。

「自分が思った様にステージを創れる」という感覚は、とても刺激的です。
そして会場が盛り上がり、出演者も来場者も一体となれる場を作る。

意識せずともオペレートしていける様になると最高なのです。

信号の流れや構成図だけを見ると、難しく感じるかもしれません。
しかし、それが解る様になった”先”にある自分をイメージすると
目の前の努力も、苦にはならなくなります。

一番に分かち合いたい感覚は「音楽は自由で、自分が思った様にステージを創れる」という事なのです。

ではでは☆

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