広背筋と大円筋の働きや特徴
こんにちは。今回は広背筋についてです。
世のマッチョたちの逆三角形の辺を形成する筋肉です。
広背筋の付着位置
起始部:正中仙骨稜、腸骨稜、Th7~L5の棘突起、第9~12肋骨
停止部:上腕骨小結節稜
要するに
腰から腕の内側に付着している。と覚えておきましょう。
Th7(胸椎)は肩甲骨下角のランドマークである為、広背筋は肩甲骨下角に触れる人もいれば、触れてない人もいます。
作用
肩関節の伸展、内転、内旋
伸展作用
腕が体の真横にあるとします。この状態では起始部と停止部がほぼ真横に位置し、前後の距離(長さ)が無いことが分かります。
腕が体の真横にある状態では、広背筋は殆ど伸展方向に働かないことが分かります。
今度は前ならえの位置(肩関節屈曲位)に腕があるとします。この状態では起始部と停止部に前後の距離が生じます。
広背筋は伸張され、元に戻ろうと伸展方向に作用します。
肩関節屈曲可動域が大きくなるほど、伸展作用が強く働くことが分かります。当たり前ですが。
筋繊維走行も縦走行気味の点を考慮すると、内転よりも伸展動作の方が効率的に鍛えられそうですね。
出来るだけ肩関節を屈曲し、エキセントリック可動域を確保できる種目・・・
ナロー手幅かつパラレルグリップやアンダーグリップ種目がよさそうですね。
小指から引く?
小指から引くと広背筋に効きやすいと聞いたことがあると思います。
これは正しくもあり、ニュアンスのずれのようなものも感じます。
支配神経から考えてみましょう。
それぞれ
広背筋:胸背神経
小指側:尺骨神経
親指側:橈骨神経 (上腕二頭筋も同じ)
になります。
小指と広背筋の支配神経は異なることが分かります。
親指側で引くと上腕二頭筋に負荷が分散しやすくなる為
消去法として小指側で引いてるという訳です。
話の小ネタ程度に覚えておいてください。
大円筋の付着位置
起始部:肩甲骨の下角
停止部:上腕骨小結節稜
大円筋は肩甲骨の下角に起始部を持ちます。
停止部は広背筋と同様、上腕骨小結節稜になります。
停止部で連結している事から、一方に不調をきたすともう一方に影響を及ぼすことが分かります。
作用
広背筋と同様
肩関節の内転、伸展、内旋になります。
大円筋は筋繊維方向がほぼ真横な事から
内転動作時に最も強く働くことが分かります。
肩関節可動域制限
肩関節内転作用をもつ広背筋や大円筋が短縮する事で、肩関節外転可動域の制限因子になることが予想されます。
肩関節を外転する種目と言えば、チンニングやワイドグリップでのラットプルダウンですね。肩痛い人、思い当たる節ありませんかね。
勿論、原因は千差万別であり必ずしも原因が広背筋にあるとは到底思いません。あくまで可能性の一つです。
40肩、50肩へのアプローチとして広背筋、大円筋のリリースは鉄板中の鉄板になります。
ただし注意点が一つ。
広背筋や大円筋が短縮している原因が別の場所にあるはずですよね。
根本原因を解決しないと、制限は繰り返されます。
要するに広背筋や大円筋自体のリリースはその場しのぎの対処療法でしかないと言う訳です。
とは言え、リリースが無意味だというつもりはありませんし、トレーニング前に行う事で動きが良くなることは実感できるはずです。
根本原因を突き止めるのは難しいですけどね。日常生活全てが可能性になりますし。
最後までご覧いただき、有難う御座います。
肩関節可動域に関わる筋肉達でした。
みんなも鍛えて逆三角形めざしましょう。
をわり。