大殿筋の付着位置と作用、その他もろもろ
こんにちは。今回は大殿筋についてです。
ケツですケツ。世間ではお尻とも呼ばれるそうで。
付着位置
起始部:上後腸骨棘(PIIS)、後殿筋線、仙骨後面下部1/2外側、尾骨外縁
仙結節靭帯
停止部:上部.大殿筋膜(腸脛靭帯に移り変わる)
下部.殿筋粗面
大腿筋膜張筋も停止部を持たず、腸脛靭帯に移り変わります。
(結構重要)
非常に大きな筋肉になります。
作用
股関節の伸展、外旋、外転(上部)、内転(下部)
股関節の動きに関与する筋肉になります。
歩行動作での役割と伸展作用の特徴
大殿筋が歩行動作で働く瞬間は
脚を上げ股関節屈曲位から着地時までになります。
股関節屈曲に伴い殿筋が伸張することで、股関節が伸展方向に働きます。
階段を上る際を想像してもらえると分かり易いです。
上の段に足を着くと、お尻の筋肉滅茶苦茶伸ばされますよね。
すなわち、大殿筋における股関節の伸展作用は
股関節屈曲位からの伸展と言うことになります。
※骨盤が後傾してない前提
上部繊維の特徴
大殿筋上部繊維は股関節伸展、外旋、外転に働きますが大腿筋膜張筋とともに腸脛靭帯を形成する事から、
股関節屈曲60°以降では股関節屈曲方向に働きます。
下部繊維の特徴
下部繊維の特徴として大内転筋との筋連結が挙げられます。
先ほど骨盤後傾下においては、大殿筋は機能しないと記述しました。
骨盤後傾→大殿筋機能不全になると連結している大内転筋も機能不全になる事が予想されます。
大内転筋についてはここでは作用だけ触れます。
大内転筋の作用は股関節伸展、内転、内旋が挙げられます。
歩行動作時、大内転筋が働く瞬間は
立脚終期~前遊脚期
すなわち脚が後ろにある時に働きます。
大内転筋が働くことで、立脚終期以降にて足底の母子に荷重を乗せる事が可能になります。
ところがどっこい。
骨盤が後傾する事で
大殿筋が機能せず膝が曲がったまま着地を迎え、大内転筋が働かない事で立脚終期~にて足底の外側に荷重が乗ることになります。
正常であれば着地時、足底外側に荷重が乗り、立脚終期~では母子に荷重が乗ります。
骨盤が後傾しこれら筋群が働かない事で、常に足底外側部に荷重が乗ります。
母子に荷重が乗らない事でMP関節の伸展制限が生じ、小指側に荷重が乗る事で足底筋膜が均等に突っ張れず(固くなれず)
足底の不安定が生じます。
足底筋膜の突っ張りに関しては手の指でやると分かり易いです。
指を伸ばす方向へ倒すと掌が、パツパツに張り固くなりますよね。
全体が均等に固くなると足を着いた際、安定するのが分かると思います。
内旋動作を代償
大内転筋が機能不全になる事で、他の筋肉が内旋作用を代償する必要が有ります。
一つはハムストリングスである半腱様筋、半膜様筋が挙げられます。
ただご覧の通り、筋走行がほぼ縦な事もアリ、単体での内旋作用はそこまで強くありません。
そこで救世主、大腿筋膜張筋が股関節内旋作用を代償してくれます。
大腿筋膜張筋が緊張する事で連結している大殿筋も緊張しますし、大腿筋膜張筋が過度に働くことで腸脛靭帯炎の可能性も。
大殿筋、大腿筋膜張筋が過緊張する事で外転方向に荷重が乗る事も考えられ、その結果、トレンデンブルグやディシェンヌなどに。
また外転重心(小指側重心)になることで股関節は外旋します。
※O脚のような形
結果、変形性股関節症などに。
これまでの話を簡潔にまとめると
骨盤が後傾する事の影響は計り知れないぜ
という事です。もっと言うと仙骨の前傾が大切です。
骨盤後傾では正しい殿筋の使い方が出来ませんし。
骨盤後傾すると重心は後ろへ傾きます。
倒れないように膝を曲げ、バランスを取ります。
ご高齢の方によく見られる姿勢ですよね。
常に膝が軽度屈曲している事で歩行時膝を伸ばし切る事が出来なくなります。
長年続くと骨変性を起こし、膝を伸ばし切れなくなります。
骨が石灰化している様なイメージです。
ヒップスラスト
ヒップアップしたくて皆さん行っていますよね。
個人的には微妙です。
ヒップアップの前提条件として骨盤前傾位が挙げられます。
骨盤が前傾しお尻と腿の境目、殿溝をはっきりさせる事でヒップアップ状態が作れます。
ビキニ選手とか正にそうですよね。ステージ上で骨盤前傾位を取ることで、ヒップアップが強調されます。
ヒップスラストの動作はどうでしょう。骨盤後傾させ殿筋を収縮させる方向へ負荷を掛ける種目です。
殿筋への負荷を考えると、重さを扱えますし、確かに発達はします。
めっちゃ効くことは間違いないです。
しかし、骨格ベースで考えると・・・
少し微妙な気もしますね。
ヒップスラストとある程度の骨盤前傾位かつエキセントリック種目を掛けられる種目
すなわちスクワットやデッドリフト、ブルガリアンSQなどを組み合わせる事をお勧めします。
歩行動作に落とし込んで考えてみましょう。
歩行動作時大殿筋が働く瞬間は、足を上げ股関節屈曲位から着地の瞬間までになります。
脚を後ろに蹴り上げる動作ではないことが分かります。
適度に伸張された状態で使われる事が望ましいです。
ヒップスラストの動作は後ろに足を蹴り上げる動作に似ています。
殿筋を収縮される方向へ働かせる事も考慮すると、走る、歩くなどの動作にはあまり貢献する種目でないことも分かります。
今回結構いい記事書けた気がします。
ええそうです。自画自賛です。
おわり。
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