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β酸化と酸化機構 ~脂肪酸を添えて~

こんにちは。
今回は脂肪酸からATPを作り出す酸化機構において必要不可欠な過程
”β酸化”についてです。


酸化機構を振り返る

遊離脂肪酸から作られるアセチルCoAによってミトコンドリア内のTCA回路・電子伝達体を経てATPを作り出す機構になります。

それぞれの詳細は上記ブログをチェック


β酸化とは

脂肪酸を酸化しTCA回路で使用可能な状態”アセチルCoA”を生産する代謝過程になります。


β酸化の流れ

脂肪酸にはさまざまな種類が存在し、鎖の数はそれぞれ異なります。
今回は一つの例として”パルミチン酸”のβ酸化を見てみましょう。

アシルCoA→①トランスエイノルCoA→②L-3ヒドロキシアシルCoA
→③ケトアシルCoA→④アセチルCoA→TCA回路へ

一つ一つ名前を覚える必要はありません。
ここで重要なのは働く代謝酵素・代謝反応になります。



ここではアシルCoAデヒドロゲナーゼが働きます。
補酵素としてFAD(ビタミンB2)が絡みます


ここではトランスエイノルCoAヒドロラターゼが働きます。


ここではL-3-ヒドロキシアシルCoAデヒドロゲナーゼが働きます。
補酵素としてNAD(ナイアシン)が働きます。


ここではアシルCoAアセチルトランスフェラーゼが働きます。

アセチルCoAと変換された脂肪酸は一部はTCA回路へ、一部はアシルCoAへと戻ります。


β酸化の制限因子(疾患)

中鎖アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠損症
絶食不耐、高インスリンによる低血糖症状、乳幼児突然死症候群などのリスク因子に

β酸化の制限因子(栄養素)

ナイアシン(NAD)、ビタミンB2(FAD)不足によるβ酸化の鈍化
間接的にカルニチン不足も。

また体内活性酸素による、ミトコンドリア自体の酸化もβ酸化の鈍化
抗酸化物質の摂取でミトコンドリアを還元し、β酸化の鈍化を抑制


最後までご覧いただき、有難う御座いました。
抗酸化物質やミトコンドリア活性などに関しては、また別の機会でブログ更新したいと思います。


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