ポジショニング派が語る「人間の拡張」
経営戦略をかじったことのある方は「ポジショニング派」とか「ケイパビリティ派」とか聞いたことがあるかも知れない。
ポジショニング派の代表格がマイケル・ポーター氏。その大御所がハーバード・ビジネス・レビュー2018年1月号でARを使った人間の拡張について論じている。
「AR戦略:拡張現実の並外れた可能性」(DHBR2018年1月号)
「人間の拡張だなんて、ケイパビリティ派に転校したのか?」なんて思ったら間違い。
本稿は、ハーバード・ビジネス・レビュー2011年6月号に再掲された「戦略の本質」(マイケル・ポーター氏の代表論文の一つ)を基調とした論が展開されている。
「戦略の本質」(DHBR2011年6月号)
「戦略の本質」を背景に本稿を読めば、人間の拡張は業務効果の拡大を意味する。業務効果の拡大によって「バラエティ・ベース・ポジショニング」「ニーズ・ベース・ポジショニング」「アクセス・ベース・ポジショニング」のいずれを選択していても活動システムに影響が出る。AR/VRは業務効果拡張の分かりやすい手段として取り上げられている。ちなみに、本稿のどこにもVRIな(価値があり、希少で、模倣困難な)経営資源といったケイパビリティ派の視点は出てこない。あくまで差別化。
でもなぜ今、ポジショニング派の大御所が「人間の拡張」を持ち出しているのだろう?
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