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葉山 加地邸〜フランク・ロイド・ライトの高弟 遠藤新建築〜夏の思い出〜はまっこおすすめツアー

ずっと、ずっと気になっていた加地邸の見学をしてきました。

加地邸はフランク・ロイド・ライトの高弟遠藤新氏による
現存して、活用されている数少ない建築の一つです。

最近は「岸辺露伴は動かない」のロケ地としても
有名になっています。

加地邸の建主は加地利夫氏。
1917年三井物産ロンドン支店長となり、その後重役、監査役を歴任しました。
本宅は港区白金三光町にあり、風光明媚な葉山に別邸を作りました。
面白いことに本邸より3年早く、別邸が完成しました。


車の通行はできない坂道を登ります。
ライト建築のシンボルでもある大谷石がふんだんに使われています。
重厚な大谷石からのアプローチからの玄関
玄関の左手にある趣のあるピロティ。
日本的な照明は長らく隠されていたのですが、修復のときに見つかって
元の位置に戻されました。
玄関の右手に広がるお庭
睡蓮の池
ライト建築に「水」は欠かせません
大谷石を敷き詰めたテラス
サロンの主室
窓の外に広がる庭とも一体感を持たせるつくりです
2階から見た全景
窓際に置かれた小さめのテーブル、ソファは三人のお子様用の小ぶりのものです
椅子と花台
ちなみにドラマでも露伴の書斎はこの主室で撮影されました
暖炉はダミーではありません。
本物です!

サンルーム
椅子は籐を使用しています。
六角形をモチーフにした家具が特徴的です


趣のある窓 すりガラスも素敵です
加地さんには三人のお子様がいらっしゃいました。
このお部屋は長女のお嬢様のお部屋でした。
今は宿泊のできるお部屋になっています。
窓の取っ手は組子にぶつかりそうですが、そのまま回ります。
見事です。
こちらは次男さんのお部屋です。
現在はホテル使用になっています。
ビリヤード部屋
終戦後、葉山の多くの洋館はアメリカ進駐軍に接収されtいました。
加地邸も例外ではありませんでしたが、高名なライトの弟子が建築したとあって
丁寧に使用されていたのですが、肝心のビリヤード台はお持ちになってしまったようで、
今は消息不明だそうです。
六角形のテーブル
今回の修繕で特別にあつらえたそうです
加地邸には赤いフェラーリも停まってるのですよ。
暖炉に火を灯して
ウイスキーを飲みながら語りあったのでしょうか・・・
館内にはペンダントライトが数多くあります。
どれもが意趣に富んでいます。
光をどこに置くか考えられているのですね。
ギャラリー
中2階となるスペースはサロンを挟んで左右にあります。
ここにはピアノもあったそうです。
プライベートな空間でありながら、主室と隔絶していない絶妙なバランスのギャラリーです
修復して新しくなったトイレ
窓わく、壁は当時のまま
2階の展望室
湘南の海が広がる絶景を眺める展望室は
加地亭NO1のお部屋です
張り出したパーゴラが視線を遠方へと導くそうです
「どこでもお好きなところでティータイムをお過ごしください」
というお言葉に迷わず展望台を選びました
葉山の海
大島も見えます
「海を見ていた午後」でした
展望室のお隣は加地さんの書斎です
ライト氏のライトがありますね。
絶景です
2階には宿泊用に整えられたベッドルームがあります
アメニティーも充実してますね
奥のバスルーム
三角の窓・・・ここにもこだわりがありますね。
ダイニングルーム
キッチン 
お料理もできます
地下にはなんとお風呂があります
ここは昔使用人の方のお部屋だったそうですが
今回修復した際にお風呂になりました
小山薫堂氏の湯道百選に選ばれてます
ゆったりお風呂に入ってみたいですね
タオルも素敵
The Five Beans (葉山)のコーヒー
フィナンシェ〜ニコラ&ハーブ 
斜面の特徴を活かした建築です
邸内を案内してくださった(株)ヨネヤマの松橋さん


加地邸ツアーの始まり


加地さんのお孫さんから、
8年前に所有権を譲り受けたのは、
不動産とは関係のない、
(株)ヨネヤマという包装資材の会社でした。

売りに出された時、大手ホテルやレストランチェーンが
こぞって手を挙げましたが、外装は保っても、
内装は全く変え、そのまま保存とは考えてなかったのです。

(株)ヨネヤマは川崎に本社にあり、
業務用テイクアウトのパッケージから物流まで扱う会社で、
創業77年の中でいろいろな工夫をして食を支えてきました。
アンティーク家具などが大好きな三代目社長夫妻は
加地邸を大掛かりな修復をして、
かつて「芸術の中に住んでいる」と暗示をかけた家にしようと決心し、
今のように文化事業を手がけることになったのです。

今年の3月から見学会を実施しました。
Otobamiが集客などの運営をすることになりました。
最初はどれほど来てくれるかと思っていたところ、
1500人の枠がすぐにいっぱいになりました。




遠藤新氏の建築


自然、建築、家具、照明 
すべてがこの家のために作られたのです。

加地邸は自然と調和しています。
自然を破壊して建物だけが目立つのではなく、
自然の一部としての建物であるのです。
ライトのプレーリーハウスの原点でもあります。

人間もまた自然の一部だと考えています
遠藤新の建築哲学は
「全一なる対象として建築を考える」ということです。
「全一」とは完全に統一していることです。
完全なるものは神の手でのみ作られるものですが、
遠藤新は常に神を仰ぐキリスト者であったと思います。

私の息子二人は自由学園で学びました。
自由学園の講堂、校舎、食堂、体操館、図書館は遠藤新氏の建築です。
私も月1度のお食事当番(270食分を作ります)、
父母会のお仕事などで、学園に足繁く通ううちに
ライトの精神を受け継いだ遠藤新氏の建築に馴染み、
加地邸では懐かしい家に帰ってきたような気持ちにもなりました。

このツアー、1時間半、コーヒーとお菓子付で8,800円です。
この中には修復費用も含まれでいるそうです。

ぜひ一度お出かけください。

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