💠大野一雄先生の思い出

大野一雄 - Wikipedia

2010年6月1日、
国際的に活躍された舞踏家大野一雄先生が
天国に召されました。

2010年7月17日
BANKART  YOKOHAMAで
「ブラヴォー大野一雄」が開催されました。

700人を超す縁の方々が集まり、
礼拝をもって始まり、
最後は103才の長寿を全うされた
大野先生に「乾杯」を捧げました。



舞踏家として名を馳せる前は
わたしの母校で体育の先生として
戦後の女子教育に
ご尽力されていました。
とてもユニークな授業だったそうです。

大野一雄先生は
横浜のバプテスト派教会の
初期メンバーのお一人でしたので、
6月5日にご葬儀がしめやかに執り行われ、
私は受付に立ちました。

近親者のみのご葬儀でしたが、
訃報を聞いて多くの方々が
お別れのために栗田谷の坂を登ってきました。

その翌日、私は教会学校小学科の礼拝のお当番で
お話をすることになっていました。
タイトルは「イエスさまの言うとおり」でした。

わたしはこの日、子供たちに大野先生のお話をしようと
思いながら、原稿を書き上げました。

〜昨日、この礼拝堂で大野一雄先生の葬儀がありました。
それは先生の願いでした。

どんな先生だったのか
今日は大野一雄先生のお話をしたいと思います。

私は小学校4年生の時に
温水プールのある体育館が出来上がりました。
一年中プールに入れると私たちは大喜びでした。

温水にするためのボイラー室の入り口に
「火気取扱責任者　大野一雄」という
プレートが貼ってありました。

大野先生はズボンの後ろに手拭いをぶら下げて、
ボイラー室を出たり入ってり忙しそうにしていました。

私たち小学生は皆、大野先生を
「ボイラー室のおじさん、ボイラーマン」と
思っていました。

女学生になり、クリスマスページェントの練習には
必ずボイラー室のおじさんがやってきました。
手拭いをぶら下げたいつもの見慣れたおじさんが
全く違う人になっていました。

腰を落として恐る恐る飼い葉桶の近づきます。
中に眠るイエスさまを拝み、

胸の辺りで、このように交差します（実際にやってみせる）

それから、
おじさんの両の手は天に高く掲げられ、
喜びに満ちて、帰って行くのです。

貧しい羊飼いの役を演じている大野先生は
いつものおじさんでなく
本物の羊飼いでした。

Tシャツとズボンという、
いつもの格好なのに
羊飼いそのものに見えました。

私はびっくりしました。
本物の羊飼いをみたこともないのに、
なんでそう見えるのかしら。
とても不思議な気持ちになりました。

そして考えて、ひとつの答えを見つけました。

大野先生はイエスさまを下さった神様への感謝と、
イエスさまが自分たちために生まれてくれた喜びを
心と身体で表現しているんだと気づいたのです。

大野先生がとても有名な舞踏家だと知ったのは
大人になった時でした。

私が知っている時はまだ65才くらいですが
大野先生が国際舞台で活躍を始めたのは
73才を過ぎた頃からでした。

73才！普通ならもう「おじいさん」と
言われる年になってから、
大野先生は外国に公演に行ったり
写真集を作ったりしました。

年を取るほどに有名になりました。
90才を過ぎた時に一番忙しい毎日を送っていました。
すごいですね、想像つきますか？

さて今日
与えられた箇所はマタイによる福音書17章24節から27節です。

24一行がカファルナウムに来たとき、神殿税を集める者たちがペトロのところに来て、「あなたたちの先生は神殿税を納めないのか」と言った。 25ペトロは、「納めます」と言った。そして家に入ると、イエスの方から言いだされた。「シモン、あなたはどう思うか。地上の王は、税や貢ぎ物をだれから取り立てるのか。自分の子供たちからか、それともほかの人々からか。」 26ペトロが「ほかの人々からです」と答えると、イエスは言われた。「では、子供たちは納めなくてよいわけだ。 27しかし、彼らをつまずかせないようにしよう。湖に行って釣りをしなさい。最初に釣れた魚を取って口を開けると、銀貨が一枚見つかるはずだ。それを取って、わたしとあなたの分として納めなさい。」

税金を納めなければいけないといおわれたペテロさんは、
困ってトボトボ　家へ帰りました。
そんなペテロさんをみてイエスさまは何と言ったっでしょう。
「税金なんて払わなくてもいい」とか
「そうか、それは困ったなあ。神様にお金をくださいと祈ろう」とか
言わず、
「湖に行って釣りをしなさい」と言われました。
そう言われたペテロさん、ちょっと想像してみてください。
「なんで釣りなの？全く関係ないじゃない」そう思ったかもしれません。
そして続けてイエスさまは
「湖で最初に釣れた魚の口から銀貨が見つかるはずだから、
それをわたしとあなたの分として税金を納めなさい」と言いました。
ふーん、そんなこと本当にあるのかなあ。
ペテロさんは首を傾げて、
ちょっとイエスさまの顔を見たでしょう。
イエスさまは少し微笑みを浮かべてペテロさんを見ています。
ペテロさんは、すくっと立ち上がり、
イエスさまの言うとおりに湖へ釣りに行きました。
そして言われたとおりに銀貨を手にしました。

自分の考えや思いと違うことが示される時、
イエスさまの言うとおりにすることが、
大切なことだとわたしは思います

大野先生はずっと若い時に舞踏家として成功することを
望んでいたかもしれません。

でもイエスさは先生に教育者の道を与えました。
大野先生はイエスさまに従いました。
大野先生はイエスさまの言うとおりに生きたので、
ほかの人には真似のできない
神様のみ国を身体で表現することができたのではないでしょうか。

貧しい羊飼いが全身で喜び、賛美したように
大野先生は一生をかけて
イエスさまの福音を舞踏を通して伝えました。

大野先生が信仰をもって生きたことを
評論家もメデイアもあまり触れていません。

でもわたしたちは知っています。
大野先生はイエスさまだ大好きだったことを。

おうちに帰ったら、家族に伝えてください。
お友達にも話してください。

そしてわたしたちも自分の願いや思いを
通すだけでなく
イエスさまの言うことに耳を
傾けて生きていきたいと思います。

大野先生と一緒に教会を設立し、
同僚の教師としてお働きになった
音楽の先生が、このお話に目をとめてくださり、

「ブラヴォー大野一雄」にいらした方々にも
配られました。

毎年、6月1日になるとわたしは
大野先生を思い出します。
そして、イエスさまの言うとおりに
生きているかしらと自問します。

#大野一雄
#クリスマスページェント