偽物の自然にもリラックス効果がある
いくら自然が体にいいと言っても、現代人が急に「森の生活」を始めるわけにもいきません。いまの暮らしの範囲内で、できるだけ自然を取り入れていく方法を模索するのが現実的でしょう。果たして、自然のメリットが得られる最低ラインはどこにあるのでしょうか?
スタートとして効果的なのは、「自然音」「または「自然画像」です。川のせせらぎ、木々を吹き抜ける風の音、雄大な森林の映像、波が押し寄せる海の光景など、酒類は何でも構いません。まずはデジタルのデータを使い、スピーカーやモニタ越しに自然との接触回数を増やすのです。
狩猟採集民とくらべればささいなものですが、これがどうしてバカにできません。自然に飢えた現代人の脳には、たとえ偽物の自然でもかなりのインパクトがあることがわかっています。
たとえば、アムステルダム自由大学の実験では、60人の学生に複雑な数学の問題を解かせて精神的なストレスを与えた後、半分には緑豊かな公園の写真を5分だけ見せ、残りには一般的な都市の光景を眺めるように指示。それから全員の自律神経を計測したところ、公園の写真を見せた学生は2倍も副交感神経が活性化し、心拍数も有意に低下していました。自然の写真を5分ほど眺めるだけでも、かなりのリラックス効果が得られるようです。
また、自然の写真ほどではないものの、自然音についても研究が進められています。
2017年にサセックス大学が行った実験では、風の音や虫の声を5分25秒ほど聞いた被験者は、車のエンジンやオフィスのざわめきを聞いた時よりも、優位にリラクゼーション反応が起きていました。
まずはPCやスマホのデスクトップを森や海の風景に変え、通勤電車の中では風や潮騒の音を聞くのが、いまの暮らしに自然を取り込むはじめの一歩になります。
自然の写真と音声で副交感神経が鎮まったら、次のステップです。
ここからは、一歩進んで「観葉植物」を取り入れてみましょう。やはり狩猟採集民の暮らしには程遠いものの、こちらも多くのデータで効果が示唆されています。
ノルウェーで行われた実験では、385人のオフィスワーカーの年齢や仕事内容といった因子をコントロールしたうえで重点回帰分析を行ったところ、はっきりとした違いがみられました。デスクの上に観葉植物を置いた従業員ほど主観的なストレスが低く、病気で会社を休む回数は少なく、仕事の生産性まで高い傾向が見られたのです。
このような現象が起きる理由には諸説あるものの、1998年のデータでは観葉植物の近くで働きオフィスワーカーは肌荒れが減ったとの報告も出ており、やはり副交感神経の活性化によって体内の炎症が治まったのが大きいようです。
さらに嬉しいことに、観葉植物には幸福度や集中力を上げる効果も確認されています。
350人のオフィスワーカーを対象にしたある実験では、観葉植物を前にしながら作業をした被験者は幸福度が47%アップし、作業の効率が38%も上がったそうです。これは、観葉植物のおかげで作業中の緊張がやわらいだために起きる現象で、心理学の世界では「注意回復理論」と呼ばれています。これほど手軽で生産性が上がるテクニックも珍しいでしょう。
身近に置く観葉植物の種類は何でも構いません。多くの実験ではポトスやドラセナを使うのが定番ですが、基本的には自分が好きな植物を選べばいいでしょう。
(最高の体調 鈴木裕 P118抜粋)
<感想>
今すぐ出来ること
・PC、スマホのデスクトップを自然の写真にする
・読書をする時に自然音を聞く
・観葉植物を作業机の上に置く
これらをするだけで幸福度、集中力が上がるのであればやるに越したことはないですね!
皆さんも是非試して見てください!
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