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サードプレイスをやめた『スターバックス』、店舗拡大ができる本当の理由

昨晩、何年ぶりだろう?おそらく2-3年ぶりに『スターバックス』を利用した。暖かいドリンクでも飲みながら少し作業をする為に利用したのだが、最近のスターバックスはどうもうるさいのだ。街の客層なのか周囲の人の声や雑音が煩いし、なんか席の間隔が狭くかなり窮屈である。

この原因は最近スターバックスでも少しずつ“フランチャイズ化”が進んできたからである。スターバックスは“サードプレイス”を掲げ魅力的な空間づくり、ゆったりとした雰囲気づくり、一人でも訪れたくなるような店内、心地よい接客を軸にブランド化していった。

実際にスターバックスHPにもこの会社が“フランチャイズ化”しないという事を強調している。
フランチャイズ化をしてしまうとフランチャイズのオーナーが売上をメインに考える。そのため、回転率を上げるために店舗の座席数を増やしたり、早く出ていってもらうように店舗のBGMなどをアップテンポの音楽にするのだ。これはスターバックスのテーマである“サードプレイス”が崩壊する。そんな事はスターバックスも理解しているため最近までは“フランチャイズ化”をしていなかったのだろう。

スターバックス コーヒー ジャパンの店舗は、全店直営で運営し、基本的にフランチャイズ展開はしておりませんが、一部、特殊商圏においてはライセンス事業を行っております。
(出典:スターバックスジャパンHP)

しかし、注目したいのがこの“1部特殊商圏においてはライセンス事業を行っております。”という部分だ。

最近、スターバックスは東京や大阪の1日あたりの売上が高い店舗からどんどんライセンス事業という名目の“フランチャイズ化”を次々と行っているのだ。

これはスターバックスにとっては“サードプレイス”崩壊の可能性があり危険な舵取りであるが、新型コロナウイルスの影響がこういった戦略にあらわれたのだろう。

“サードプレイス”戦略からの撤退とブルーボトルコーヒーなどの台頭で、明らかに潜在的な顧客は減ってきている。しかし、スターバックスは新規店舗を年々増やしている。

では売りだったサードプレイスを諦め、売上を優先しフランチャイズ化を図るスターバックスが何故どんどん店舗拡大できるのか。

そこには我々顧客が支払っている“デポジット”がある。

※ デポジットとは、あるサービスを利用する際に、そのサービスの提供者に一旦預けておき、のちに返却もしくは別の支払いに充当される金銭のこと。

スターバックスは近年ギフトカードやスタバカードなどを作り、顧客に一旦お金を支払わせる。その“デポジット”で新たな店舗を作っているというのだ。

スターバックスなどのある程度ブランド構築された店であればサードプレイスの崩壊などで一定数の潜在的顧客を失っても、熱狂的なファンがまた一定数いる。その彼らが軸となりギフトカードやスタバカードによる“デポジット”でスターバックスの店舗拡大をささえている。

あと、まぁだいたい多くの人間は本質的な部分など見ていない。スターバックスのサードプレイスが崩壊して、店舗がなんか騒がしくてもスターバックスはスターバックス!と考える人が結構多いんだと思う。

まぁそれはそれで経済が回るなら良いと思う。

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倉岡利樹(Toshiki Kuraoka)
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