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Anycaサービス終了にみえる早すぎる試みと時代錯誤の人間

 私はモノを所有するのが大の苦手である。家も車も今は家族も持たないので、すごく自由でかなり余裕のある生活ができている。昨日は友人とゴルフに行ってきたが、毎回ゴルフクラブなども全てレンタルだ。配達ができるにしても大きな荷物を購入して家においておくことさえ面倒に感じる。昨今私のようにモノを持たない人々が急増している。その為、世の中の傾向としてモノを持たなくても良い様々な便利なサービスが誕生している。

 映画やドラマをパッケージで買わなくて済むオンデマンドサービスNetflix、労働者を継続雇用しなくて済む隙間バイトTimee、ブランドバックのサブスクサービスLaxus、その殆どが便利で世の中の傾向を捉えている故、大成功を収めている。住宅の持ち家vs賃貸でさえ、私は周回遅れの議論だと思っている。これから一般人は確実に賃貸vs ホテル暮らしという議論になっていくだろう。

 しかし、そんな時代の中で一つ取り残されたサービスがある。それがカーシェアリングサービス“Anyca”だ。DeNAが満を辞して行った車の個人間の貸し借りができる大変便利なサービスであり、ToyotaのKintoに匹敵するくらいの神サービスだ。

 KintoはLEXUS等高級車含めトヨタの新車を毎月リース料金で所有しなくても乗ることができる経営者であれば申し分ないサービス。一方、Anycaはさらに小分割して、日にちごとに世の中にある全てのメーカーの高級車等を個人間でカーシェアリングすることができるものだ。私もテスラを今はもう持っていないので、よく1日単位でAnycaを通して同じモデルSなどを利用をしていた。車なんかは特に毎日乗るモノでもない上、私は自宅のある東京にも月に1度しか帰ってこないので所有する必要がない。

 3ヶ月に一度ほど利用する機会があるため、その都度使えるAnycaは神サービスであった。勿論、車種を選ばなければ他のレンタカーやタイムズのカーシェアリングの方が安いので良いと思うが、テスラ等の贅沢品をレンタルできるというのはものすごく画期的だ。しかし、贅沢品のシェアが故にそのシェアを希望する借りる側のユーザー数は急増していたが、“愛車を他人に貸したくない”などという理由から貸す側のユーザーが伸び悩んだのがサービス終了の一因だとも言われている。

 こういった人間は、だいたい昭和的な高級車を買って見栄を張るような所有派の時代錯誤の人間だ。経済理論でいうと、このような人間はサブスクリプションという経済革命を無視しあらゆる社会の進歩を阻害するようになるだろう。残念だが日本には一定数いるようで、私の周りを見ていても車を買って愛着をもって何年も手放さないみたいな意味わからない人間が多い。

 それが故に今回のような超便利な神サービス“Anyca”が終了したのだろう。まぁでも、私はこれは時間とタイミングの問題だと考えている。世界の中心アメリカではもうすでに何十ものカーシェアサービスが広がっており、テスラのようなメーカーが自社で行おうとする動きまで出ている。まだ、多くの日本人にはその先見性とセンスがないだけなので10年後には確実にこのようなサービスは戻ってくるだろう。

 どこかがAnyca事業を買い取ったりしないのかなぁとも思うが、非常に便利でトレンドなビジネスモデルなので是非いち早く世に戻ってくることを期待したい。

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倉岡利樹(Toshiki Kuraoka)
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