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滅多にできない体験の殆どは自己主導でない限りできない

 今月はソウルへ飛ぶ前に香港に立ち寄った為、長期間のビジネストリップとなった。その為、いつも以上に多くの収穫があったように思う。私は海外でいつもどんなシチュエーションであっても自分にとって新しい体験を好んで意図的に行うようにしている。そして、それは自己主導でない限りできないことが多い。

 例えば、海外の知人やビジネスパートナーと食事に行くとする。彼らは日本人の私に対して決して鮨や天ぷらといった日本料理を薦めようとしない。特に鮨屋に関して言うと、日本人が握っていたり、日本の方が魚が新鮮だという先入観がある為か食事先候補になることは無い。しかし、そこで、私がOmakaseに行きたいと提案すると滅多にできない体験が可能となる。

 世の中の滅多にできない体験の大半はこのように、自己主導で何かアクションを起こさない限りできない。人から与えられたアイデアやプランというのは、多くの人間が与えられている可能性が高い為、滅多に体験できないものではない。

 キャリアについても同じことが言えると思う。例えば、人にキャリアの相談をするとしよう。この道に行くのか、あの道に行くのか。多くの人々は同じような道を案内する傾向にある。例えば、2年働いた会社から他の会社に転職を考えているという相談だと、あと1年だけ勤めて転職しては?というような提案である。しかしそれは、誰しもが与えられるプランなのでその道を進んだとしてもよくできるつまらない体験にすぎない。

 一方、自己主導で人から与えられたアイデアやプランとは逆の道に進むと滅多にできない体験ができたりする。私は常にそのような道を取るので毎日が新しい体験で満ち溢れている。おそらく多くの人々が体験していないような毎日があるし、生活していてつまらないと思うことが殆どない。

 自己主導の行動は、単なる好奇心や冒険心に基づくものに留まらず、キャリア構築やビジネスにおいても、他者との差異を生み出し、長期的な競争優位性を形成する戦略的な要素として重要なのだ。特に現代のグローバルなビジネス環境では、標準化されたプロセスや予測可能な戦略が蔓延している。そうした環境下で、あえて未知の領域に自らの意志で飛び込むことにより、従来の知見ではカバーしきれない経験的知識を構築する。

 実際、自己主導で選択した道は、常に成功が保証されているわけではなく、時には失敗や困難に直面する。しかし、それこそが真に独自性を高め、適応力や問題解決能力を培う機会となる。例えば、異文化環境下での交渉やビジネス展開において、現地の慣習や価値観を理解するためには、定型化されたガイドラインやフレームワークに頼るだけでは不十分である。そうした状況で、自己主導で新たなアプローチを試み、経験的に得た洞察こそが、他の追随を許さない差異化要素となり得る。

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