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【取材レポート】脱毛症改善スペシャリスト:関 周剛先生/脱毛症とどう向き合い、そして行き着いた抜け毛の原因「美容ストレス」とは?


関 周剛(せき ちかよし)先生対談時撮影

関 周剛(せき ちかよし)先生
40年以上脱毛症に関する研究を続け、多くの患者と向き合い、そして治してきた。大阪で始めた美容サロンに来た小さな少女との出会いから脱毛症の研究が始まり、脱毛症はもちろん頭蓋修復技術の開発に成功。2009年には日本予防医学美容家協会を設立し現在では名誉会長に就任。全国に関メソッドを取り入れたサロンが増えている。また、メーカーでの商品開発を経て、現在は自身が納得のいく物をという想いでプロデュースした「頭皮環境のため」のシャンプーを始めとする商品開発にも精力的に活動している。

■VOL.1 なぜ脱毛症と向き合うことに決めたのか?

これまで多くの脱毛症患者と向き合ってきた関先生だが、個人経営の美容室をやりながら、なぜ難題である脱毛症と向き合うことを決断したのかを語っていただいた。

○ある少女との出会い

その出会いの日、当時は奥様と切り盛りしていた小さな美容室。あまり手伝う気はなかったと笑混じりに語る関先生だったが、ある日の出来事を話し始める。

関:「40年くらい前に、美容室を妻と始めた頃、朝いつも通りお店のシャッターを開けてオープンさせた時に小さいお子さんとお母様が来店されて、そのお子さんを見ると髪の毛がなかったんです。眉毛もまつ毛もない全脱毛の女の子でした。」

その子のお母様に関先生は率直に聞いたそうだ。その当時、関先生も若かったことからもっと聞き方があったのにと振り返る。

関:「もっと聞き方があったのに、僕も若かったから『お子さんどうしたんですか?』てストレートに聞いてしまったんです。そしたらお母さん不機嫌になってしまって、それでも答えてくれたんですがそのお母さん『いや、この子はもう毛が生えないってお医者さんに言われたんです』と、そう言われて、そこからは何も言えなかったんですが、その後は普通にお母さんのパーマをやっていたのですが、その子がどうも気になりふと目をやると、まるで置物のようにじっとしてまるで生命力がなくてまったく動かないんですよ」

○自己の正義感と美容師としての使命感

全脱毛した少女の存在が気になり本来の仕事をしながらも意識がそっちにいく自分の様子を当時の記憶を辿りながら話してくれる関先生。髪を専門とする美容師として、一人の人間として彼の優しさが滲み出る。

関:「その子に話しかけても返事は無いし、ぬいぐるみを渡しても知らん顔だし。ただそうしている間にふっと彼女の頭を見たら、帽子を被していないことに気づいたんですよ。暑い日なのに。この高温状態で帽子を被していないから頭皮が焼けてるわけですよ。で、所々焼けてるところから血が滲んでるんですね。ま、火傷ですよ完全に。」

その子の頭皮の痛々しい状況を見た関先生は、やはり黙っていられなかったようだ。関氏はその当時のことを思い出しているからか、口調もテンポが上がる。

関:「そのお母さんにこんなに暑い日になぜ帽子を被していないんですか?しかもこんなに血が滲んでるのに?と聞いたんですが、美容師さんに言われたってお医者さんにダメだと言われたんだからとまるで相手にされない雰囲気。それなのにそのお母さん原因を話してくれたんですが『近所のおばさんに太陽に頭皮をあてると髪が生える』て聞いたからと言っていたんです」

毛髪の専門家の言うことには耳を傾けないのに、近所の仲のいいおばさんの言うことは聞くと言う驚きの事実。関先生は笑混じりで語ってくれました。しかしそのきっかけが彼の探究心に火をつけたようだ。この話はまだ先がある。関氏はそのお客様にプロとして意見をぶつける。

関:「私はそのお母さんに意見をぶつけました。『お母さん、それは違いますよ。やっぱりこんなに血が滲んでいるのに帽子を被してあげなかったらこの子痛いでしょ?』と言ったら、さっきまで黙ってビクともしなかった女の子が反応したんです。おっちゃんよくぞ言ってくれた!という感じかもしれないです。」

○少女と別れた後も消えない蟠り、そして決断

そう語りながら、私たちに脱毛症の研究を始めるきっかけを語ってくれた関氏の目には光り輝く涙が滲んでいたのが印象的だった。その不思議な少女と母親との美容室での出来事が、その後の彼の人生を研究へと導く神様からの贈り物だったのでしょう。

関:「その時に来た少女は帰ったっきり二度とお店には来なくなったんですが、ずっと心残りでした。私もちょうどその頃同じくらいの子供がいたということもあり感慨深くて『間違った情報で治せるものも治せない』『正しいことをやってあげれたら髪の毛を戻せることがあったのに』ていうので、そこから研究が始まったんです。その子があの時反応してなかったら僕はそのままスルーしていたでしょうね。研究もしなかったと思います。 」


■VOL.2 脱毛症の子供たちを救うための険しい道のり

少女との感動エピソードの余韻も消えないまま、関先生はその後の研究過程も語ってくれた。ほんの数分での話だが、そこには血の滲むような苦労がそこにはあったのだと思う。

関:「子供の脱毛症について最初研究を始めた時は何処にも情報がありませんでした。むしろ業界では触ってはいけない領域だったということに気づきました。メーカーや各関係者に相談しても『関先生、そんなことをやっていたら店を潰しますよ』と言われ、そこをやるのは医者です。関先生がやる領域じゃないですよと言われましたね。それでも僕としては納得いかないので勉強を続けました。でも幸いなことに店にお医者さんやメーカー関係者が来店されていて様々な情報も入手していました。これはラッキーでした。」

○脱毛症改善に繋がる大きな糸口

関:「そのうち、私のお店が評判になり脱毛に関して詳しいお店というのが口コミで広がり脱毛の方が結構おいでになるようになりました。そのおかげで脱毛症の人の頭をシャンプーするじゃないですか。そうすると頭の硬さとか柔らかさってわかってくるじゃないですか。そのうちに、脱毛している人の頭皮が妙に硬いなってわかったんです。で、髪の毛がある人は柔らかい。でも皮膚が硬いとか柔らかいんじゃない。で、そのうちにわかったんです。皮膚じゃない、頭蓋骨が動いていることによって柔らかい硬いを感じているのではないかと。」
「つまり、頭蓋骨が呼吸しているように動いているのではないかと思ったんです。でもその話を医療関係者に話しても『頭蓋骨が動いているわけない』と言われましたね。でもどうしてもその答えを見つけたくて海外にまで情報を取りに行きました。ある時、海外から資料を取り寄せることができる人と知り合ったんですが、その子が入手した情報の中には頭蓋骨はわずかに動くと書いてあったんですよ!そこから研究の糸口が見つかった気がします。そこからはこの頭蓋骨を動かしてあげれば頭皮が柔らかくなってくるのではないかと着目しました。」

関先生は当時を振り返りながら、毛髪から一線離れて頭蓋骨に着目し頭皮を柔らかくする方法を熱心に調べていったようです。頭皮を強くマッサージしたり足のリフレクソロジーをやってみたりと様々な試行錯誤があったでしょう。そんな中、また衝撃な出来事が起こったのです。


○息抜きで行った温泉。思わぬ場所での大きな発見

頭皮を柔らかくするために奮闘していた関先生はある日行き詰まりを感じ、気分転換に温泉に行ったそうだ。その時に思わぬところで大きなヒントを得る。

関:「行き詰まった私は息抜きに温泉に行ったんですが、そこの温泉は老朽化していて髪の毛を流そうと思ってもお湯がチョロチョロとしか出なかったんです。そのチョロチョロ出てくる蛇口に頭を近づけ頭を流した時に、ものすごく気持ちよく感じてリラックスしている自分がいたんです。その時『これだ!』と思ったんですよ。」

「そこで、とことん優しく流して優しく洗ってあげたらいいんや!と気づいてからは美容室でもとにかく優しく洗ってあげることに徹しました。そうすると頭皮も柔らかくなり、髪の毛がどんどん生えてくる。そこから今のシャンプー方法に行き着いたんです。」

私たちの常識では洗髪とはゴシゴシ洗うイメージだったが、その概念が根底から覆った。本当にそれで汚れが落ちるのかと疑ってしまうほど弱い水圧で流し、ゴシゴシ洗わず撫でるように洗いなさいというのが関式メソッド。しかし、この方法で結果が出ているのだから驚きだ。

■VOL.3 脱毛症で悩む全ての人へのメッセージ

関氏が提唱しているのは、過剰な美容ストレスを避けたリラクゼーションメインの美容技術。VOL.3では関式メソッドのほんの一部だが大切なヒントを聞かせてくれた。

○今の若い世代は数年後に薄毛で悩まされるだろう

現代の若い世代はこのままだと10年後20年後、どんどんハゲてくるだろうと警笛を鳴らす。

関:「日本人は毎日シャンプーしているし、そんなにゴシゴシ洗うほど汚れていない。だから今のシャンプーを水で薄めてあげて、優しく撫でるように頭皮に触れ、最後にシャワーの水圧を弱くして流してあげるだけで十分であり、今の皆さんの洗い方は過剰なストレスを頭皮にかけてしまっている。だから、このままだと将来薄毛の女性が本当に増えると思います。」

関氏の言う「美容ストレス」とはいったいどんなものなのか?私たちはそこに現代の誤った常識と真実が隠れているのではと確信した。それと同時に、脱毛症を改善する手法よりもっと大切なこと、それは「美容ストレス」を生活から排除し、薄毛にならない生活習慣を心がけることが病気で言うところの「未病習慣」、つまり薄毛にならない行動を選択することが現代の全ての女性を救うことに繋がるのではないかと思う。

○現代の「美容ストレス」とは?

関:「美容ストレスは、簡単に言うと『やらなくても良いのにやり過ぎている美容行為』です。例えば、ゴシゴシ洗う習慣。それは時代背景があって昔はスプレーでガチガチにした髪の毛の汚れを落とすのにゴシゴシ洗うシャンプー行為などは必要だったのかもしれない。でも、今は時代の変化でみなさん毎日シャンプーして清潔にしています。だから本来そんなに力を入れて洗う必要がないのに毎日ゴシゴシ洗ってしまう。昔からくる名残ですね。それが現代にも引きずって今でも一般的になってしまっている。毛染めも同じで、そこまでやらなくて良いのに頭皮にダメージを与えるような行為を毎週やってしまっている。トリートメントやブローも同じことです。つまり過剰にやり過ぎているんです。それをちょっと意識を変えて、週一回の毛染めを2週に一回にするとか、シャンプーも水で薄めて優しく洗うとか。そうしてちょっと頭皮を労ってあげるという意識に変えるだけでも驚くほど頭皮環境や毛髪は変わってきます」

関氏の話は常に驚きの連続で話に引き込まれてしまう。それは、普通ではあり得ない常識を覆すような内容ばかりだからだろう。では、なぜ私たちは間違ったことを常識としてインプットしてしまっているのか?そこを考える必要がある。そう考えると、もしかしたら食や健康、医療や美容から教育に至るまで様々な分野においてもこのような常識と思っていたことが間違っているような不都合な真実が隠されているのではないかと思ってしまうのは私だけだろうか。

*今回の対談をご覧になりたい方はYoutubeでご覧いただけます。


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