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編集後記③:題名を決める『Go to Togo 一着の服を旅してつくる』

 ひとり出版社「烽火書房」の嶋田くんの文章が、最近やけにアツい。日に日にアツくなっているのが、一緒にいる時間が長かったからか、ぼくにはビンビンに伝わってくる。嶋田くんがアツい。出会った当初、世間に対してひねくれていた嶋田くんが今、人生を全力疾走している。にもかかわらず、まわりのリアクションは反比例しているのではないかと思うほどである。

 それでも嶋田くんは諦めない。倒れるなら前のめりに。ぼくも嶋田くんと気持ちを同じにしている。高校時代、ぼくの代名詞は「全力少年」だった。もう30歳をまえにしてしまっているが、まだまだ現役の「全力少年」として、ぼくも疾走したい。

 以下、嶋田くんより。

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 本書のタイトル『Go to Togo』。カタカナで書くと「ゴートゥー・トーゴ」で、「トーゴへ行く」くらいのイメージのことばです。原稿にしても、キャプションにしても、悩み抜いてきた僕たちだけれど、実はこのタイトルにたどり着くのは、あっという間でした。

 前回お話しした「180度回転させて読む本」というコンセプトが決まったあと、どういう風にそれを実現するかデザインを詰めていました。そこで、日本編からトーゴ編へとページを切り替えるために、一呼吸おくページをつくることになりました(中扉と呼べるかもしれません)。そのときに、デザイン的なあしらいとして「GO TO TOGO」という言葉が登場し、それが妙にしっくりきて、中須くんに相談したことを覚えています。

 「Go to Togoってよくない?」

 すると中須くんは中須くんで、スターバックスに行ったとき(中須くんは学生時代スタバでバイトしていて思い入れもある)に、持ち帰りのレシートに「To go」と書かれていて、「トーゴ」と似てるなと思ったとかなんとかで

 「めっちゃいいやん、それしかないな」

 と言ってくれて、あっという間に決まってしまいました。GO TOとTOGOは鏡文字(というのか、単語レベルでの回文というのか)になっていて、反転させるという本のコンセプトにもあっています。

 さらに、このタイトルでいこうと決めて、いろいろ考えてみると、このシンプルなタイトルとメッセージが中須くんらしいなと思えるようにもなりました。シューカツをやめてトーゴに行ったことから全てが動き出した中須くんの奮闘。初めての渡航では当然不安も強くて恐ろしかったようですが、「行かなきゃわからない」という思いで、とにかくに行ってみたことが始まりです。

 なにもみんなの行き先がトーゴである必要はないとは思いますが、「行ってみないとわからない」「してみないとわからない」ということが世の中にはたくさんあるはずです。色々考えてしまうけれど、とりあえず「GO TOする」。そんな勇気をもらえるお守りとして、この本が愛されるよう、シンプルだけど強烈なメッセージをのせてタイトルにしました。

 ちょうど中須くんがnoteで書いていますが、この本は章や節の見出しにも力を入れました。アツい想いを込めました。ちょっとアツくるしいくらいなのですが、そのストレートなアツさみたいなものがぴったりだと思えるようになったのも、『Go to Togo』というメッセージが固まってからだったりします。


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中須俊治(アフリカドッグス代表)
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