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chapter7:思いよ届け『Go to Togo 一着の服を旅してつくる』

 ぼくたちは目標を定めた。この本を全国各地に10,000部届ける。そうすれば、何か変わるかもしれない。ドリカムも言っている。「10,000回だめで へとへとになっても 10,001回目は何か変わるかもしれない」と。10,000を超えた先の景色を、ぼくたちは見に行こうとしている。

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 「ダメだ」「ムリだ」「できるわけない」、そんな言葉をぼくはこれまで幾度となく受け続けてきた。その言葉をエネルギーに変えられるほど、ぼくの精神力は強くない。けれども、そういう言葉で諦めるほど生半可な気持ちでやってない。起業してからの2年弱で、ぼくが手にしてきたのは諦められない理由ばかりだ。このコロナの状況をまえにしても、やはりぼくはまだ諦められない。

 この本を世に送りだすのに、1年以上をかけてきた。この本をとおして、ぼくはまだ会ってない人に会いに行かないといけない。これまでの商品では届かなかった人たちに届けないといけない。仲間を集めないと、前に進むことはできない。現地での活動の幅をひろげるためには、どう考えても仲間が必要だから、ぼくは『Go to Togo』を書いた。

 半年後、嶋田くんは地域おこし協力隊の仕事を卒業する。大阪の出版社で5年働いて、フリーの編集者兼ライターになった。そのなかで編集の力をつかって地域を活性化する仕事をしてきた。編集とはなにか、出版とはなにかを学ぶために東京で修業しつつ、アートやデザインに関心を掘り下げるべく大阪の江之子島文化芸術創造センターにも足繁く通ってきた。そして満を持して、『Go to Togo』を編集してくれた。

 お互いの集大成ともいうべき作品をとおして、つぎの世界を切り拓こうとしている。なにかの偶然で、20代最後の年を嶋田くんとの挑戦に賭けることになった。賭けるに値するだけの気持ちを詰め込んで、賭けるにふさわしい挑戦になった。この本を10,000人に届ける。この思いよ、届け。


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中須俊治(アフリカドッグス代表)
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