chapter5:三校『Go to Togo 一着の服を旅してつくる』
ぼくたちは猛烈なラストスパートをかけた。「猛烈」というのは、あながち間違いではない。スケジュールの合間をぬって、編集者の嶋田くんとZoomで読み合わせをした。オンラインだけでは伝わらない熱量は、リアルに会って打ち合わせをした。その熱量が高まり過ぎて、幾日か徹夜で打ち合わせをした。
見出しごとに音読し合った。その見出しを読み終わるたびに、「これヤバい本やな」とか「シビれるな」とか「ここの表現は天才的」とかの言葉を掛け合った。二人三脚で、1年以上にわたって走ってきた。その時間を同じにしているからこそ、お互いを高め合うことができたし、その高め合いの連鎖を本に投影することができた。「神は細部に宿る」という格言が、この『Go to Togo』ほど当てはまるものはないと思えるほどに100%を出しきった。
全力で完成まで走り抜けた本書の目次は以下のとおりだ。ちなみにこの目次のタイトルは、すべて嶋田くんが考案している。そのタイトルセンスがヤバい。
この目次を見ただけで涙が出そうになる。これまで挑戦を重ねてきて、散々に言われながら、めげそうになったことは数えきれないくらいあった。それでもここまで食らいついて、ようやくいろいろ歯車が合ってきた感覚がある。確かにいまは、コロナのことでストップしてしまっているけれども、このことが落ち着いたら、これまで見たことのない景色にたどり着けそうな気がしている。その初速を、この本でつけていけると思っている。
この本に、ぼくのすべてを詰め込んだ。いまの100%を出しきった。これ以上でも、これ以下でもない自分を宿らせることができた。これほどまでに注ぎ込んだのは卒業論文を書いたとき以来だ。大学生から6年をかけて、ぼくは自分自身の表現をアップデートできた。
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