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『日本一のゴマすり男』(1965年5月29日・東宝・古澤憲吾)

深夜の娯楽映画研究所シアター。東宝クレージー映画全作視聴。

10 『日本一のゴマすり男』(1965年5月29日・東宝・古澤憲吾)

14日(木曜日)は、日本一シリーズ第3作『日本一のゴマすり男』(1965年5月29日・東宝・古澤憲吾)。笠原良三脚本によるスーパーサラリーマン映画の極北。大学を無事卒業して、時代の花形自動車ディラー「後藤又自動車」に就職した中等(なか・ひとし 植木等)が、徹底的に上司にゴマをすりまくって大出世を果たす。『ニッポン無責任時代』(1962年)の反骨精神よ何処へ?なのだけど、植木等のパワーをさらに加速させる古澤憲吾演出で、この上なく楽しい娯楽映画になっている。

主人公の限りない妄想が、究極のミュージカル・シーンに発展する「ゴマスリ行進曲」のインパクト。チープなセットだけどMGMミュージカルのような華やかさがある。これぞクレージー映画

「ゴマをすってすって擦り当てろ!」。出世と無縁のサラリーマン生活を過ごした父(中村是好)の教えに従い、人見明→犬塚弘→有島一郎→高田稔→東野英治郎に取り入り、三段出世を果たす主人公の言動の痛快、爽快さ!

植木等が唄えば、橋幸夫の「恋をするなら」もクレイジーソングに昇華されてしまう!挿入歌の数々の楽しさ! 浜美枝の見事なツンデレぶり! 何度観ても、圧倒的なバイタリティーコメディ!

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佐藤利明(娯楽映画研究家・オトナの歌謡曲プロデューサー)の娯楽映画研究所
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