佐藤允 インタビュー 暗黒街の愚連隊は暁に吠える!
—佐藤允さんの映画体験についてお伺いします。
佐藤 高校を卒業するあたりだったと思うんですが、谷口千吉監督の『暁の脱走』(50年/映画芸術協会)を見ましてね。ロマンを感じたんですよ。中国戦線を舞台に、上等兵と慰安婦の悲恋ものなんですけど。岡本喜八さんの『独立愚連隊』(59年/東宝)をドライとするなら、こちらは良い意味でウエットでね。僕は、この『暁の脱走』と黒澤明監督の『酔いどれ天使』(48年/東宝)を観たことで、俳優になろうと思ったのかもしれません。
—『暁の脱走』といえば