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素晴らしき哉、戦前喜劇映画の世界!

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戦前、P.C.L.映画製作所、東宝で作られた、エンタツ・アチャコ、古川ロッパ、岸井明&藤原釜足の「じゃがたらコムビ」などの喜劇映画のレビューをまとめました。
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2021年8月の記事一覧

『百萬人の合唱』(1935年1月13日・J .O.スタジオ=ビクター・富岡政雄)

 J.O.スタジオは、京都の輸入商社・大沢商会の大澤良夫社長が、昭和8(1933)年に京都蚕ノ社…

『踊り子日記』(1934年3月15日・P. C .L.・矢倉茂雄)

  トップにP. C .L.「1934年度作品No.2」と出る。前年に発足したP. C .L.映画製作所の音楽映…

『虹立つ丘』(1938年11月3日・東宝映画東京・大谷俊夫)

 岸井明さんと高峰秀子さんの「あにいもうと」のハートウォーミング・ドラマ『虹立つ丘』(19…

『純情の都』(1933年11月23日・P.C.L.映画製作所・木村荘十二)

 P.C.L.映画製作所第二作、木村荘十二監督『純情の都』(1933年11月23日)を娯楽映画研究所シ…

『笑ふ地球に朝が来る』(1940年6月26日・南旺映画・津田不二夫)

 紀元二千六百年に沸き立つ昭和15(1940)年、流行歌や映画から「自由な空気」が失われつつあ…

『青春角力日記』(1938年5月21日・東宝映画東京・渡辺邦男)

 岸井明さんと藤原釜足さんのスポ根映画のルーツ!『青春角力日記』(1938年・渡辺邦男)は、…

『唄の世の中』(1936年8月11日・P.C.L.・伏水修)

 今宵の娯楽映画研究所シアターは、「ザッツ・ニッポン・ミュージカル」研究、アーちゃんこと岸井明さん主演の和製ミュージカルの最重要作品『唄の世の中』(1936年8月11日・P.C.L.・伏水修)。P.C.L.きっての音楽映画監督となる伏水修監督にとっては、エンタツ・アチャコの『あきれた連中』(1月15日)、古川緑波&徳山璉コンビの『歌ふ弥次喜多』(3月26日)に続く、この年デビューにして三作目。モダニストの本領発揮、ピカピカのアールデコ時代の流線型音楽喜劇となっている。  映

『新婚うらおもて』(1936年12月20日・P.C.L.・山本嘉次郎)

 今宵の娯楽映画研究所シアターは、じゃがだらコンビ(岸井明・藤原釜足)の『新婚うらおもて…

『うそ倶楽部』(1937年3月1日・P.C.L.・岡田敬)

 今宵の娯楽映画研究所シアターは、岸井明のモダン喜劇研究その3。岡田敬監督『うそ倶楽部』…

『牛づれ超特急』(1937年11月18日・P.C.L.・大谷俊夫)

 岸井明さんと藤原釜足さんの「じゃがだらコムビ」による牧歌的なローカル喜劇『牛づれ超特急…

『忘れられぬ瞳』(1939年2月11日・東宝・渡辺邦男)

 岸井明さんと神田千鶴子さん主演、渡辺邦男監督『忘れられぬ瞳』(1939年2月11日・東宝東京…

『ドレミハ大学生』(1938年3月1日・東宝・矢倉茂雄)

 岸井明さんと藤原釜足さんの「じゃがだらコムビ」のカレッジ音楽喜劇『ドレミハ大学生』(19…

『たそがれの湖』(1937年11月21日・東宝映画東京・伏水修)

 この年、P.C.L.に入社、音楽映画を中心に活躍していた江戸川蘭子さんと、花形女優・神田千鶴…

『船出は楽し』(1939年4月1日・東宝映画京都・伏水修)

 長年観たいと思っていた伏水修監督、岸井明さん&徳山璉さんのビクターの売れっ子がコンビを組んだ、東宝映画・ビクター提携作品『船出は楽し』(1939年4月1日・東宝映画京都撮影所・伏水修)を娯楽映画研究所シアターでスクリーン投影。東宝京都撮影所製作なので神戸で前篇ロケーション。これが最大の効果を上げている。モダンな作風で、数々の音楽映画を手がけてきた伏水修監督は、モンタージュや、カメラワークにも凝っていて、いつもハリウッド映画のような味わいなのだが、今回は特に、港町神戸のハイカ