「天狗倉山から望む」【ふるさとを撮る】
街のランドマークだった高さ230メートルの煙突は、およそ4ヵ月で撤去されたという。
火力発電所の煙突は昭和61年(1986)、僕が7歳のときに完成した。
やがて「こどもの日」には鯉のぼりが掲げられ、「クリスマス」にはライトアップされるなど、いつしか街のシンボル的存在となり、18歳で地元を離れてからも、ふとしたときに思い浮かべる故郷の風景には、いつもこの煙突があった。
そんな発電所が廃止されたのは平成30年(2018)12月のこと。そして煙突の撤去工事がおこなわれたのは、令和2年(2020)8月から12月にかけてだったという。
ちょうどコロナ禍の真っ只中で、なかなか帰れず、更地になった発電所の前に立ち、僕が空を見上げたのはそれから約1年後、令和3年の11月30日だった。
──ぽっかりと空いた空間に見た、喪失感。
あの日から、帰省のたびに意識して故郷を撮るようになる。
これまでSNSに投稿したものも含め、その時季に合わせて紹介していく。
ふるさとを撮る
「天狗倉山から望む」
【撮影日】
令和4年(2022)1月5日
【場所】
三重県尾鷲市と紀北町の市町境
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