働き方をどうシフトさせるか?複数の選択肢を持とう
社会や経済、人々の価値観が大きく変化するなかで、これからの働き方についてのヒントを得たいと思い、本書を読みました。
タイトルは、「WORK SHIFT ワークシフト」 副題「孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉」(著者:リンダ・グラットン)です。
働き方の未来は今日始まる
私は、すでに高度成長期が終焉していた昭和の終わりに近い時代に大学を卒業し、就職しました。
たまたま新卒で入社した会社で30年以上勤務しました。
すでに終身雇用制度は崩壊しているといわれるなかで、私自身これほど長く同じ会社に勤め続けられるとは思っていませんでした。
社会経済情勢の大きな変化や景気の波あり、組織変更や人事異動、退職者にともなう担当職務の変更など紆余曲折を経て、結果的に同じ会社に勤務してきたというのが実際のところです。
母体は同じ会社でしたが、営業部、人事部、購買部などをわたり歩き、本書のタイトルである「ワーク・シフト」的な側面もあったと思います。
私は現在は、新卒で入社した会社を辞め、業界の全く異なる会社で仕事をしつつ、今後の働き方について模索しているところです。
ともかく、大きな変化が進行している状況で、これから先、これまでの考え方とやり方では通用しなくなっていると感じています。
手遅れにならないうちに未来について考え行動していくことが大切だと思います。
未来を形づくる五つの要因
ここにあげられた五つの要因については、すべて納得のいく項目だと思います。
この本が出版されたのが2012年で、2025年の未来図について書かれています。
私が本書を読んでいる現在2024年は、まさにその未来図へ向けての最終段階ということになるでしょうか。
五つの要因の相乗効果で、今までの働き方の常識が覆る途上にあるということだと思います。
先ほども述べましたが、私が新卒で社会人になったのが1987年(昭和62年)のことでした。
時代は昭和から平成、そして令和に移り変わり、従来の典型的な人生設計の基本型は崩れてしまいました。
それは、定年までに住宅ローンを完済し、退職金と年金を原資に悠々自適の老後を送るというものでした。
かつての昭和時代のような約束された未来はなくなってしまったのです。
まさに、人生設計の再構築を迫られることになっています。
しかし、今後の働き方も考えて人生設計を再構築するといっても具体的にどうするのか?
私自身、不安と迷いが混在しているのが実際のところです。
現在やっている仕事をどうしていくのか。
そして、未来に起こるであろうことを想定しつつ、変化への対応力を身につけていきたいと思います。
働き方をどうシフトさせるべきか
第一のシフト
私のこれまでの社会人経験においても、ゼネラリストの方が尊重されていたように思います。実際は、「なんでもやらされた」というのが正直なところですが・・・。
しかし、これからの時代は「専門技能の連続的習得」が求められるということです。
その企業のなかでしか通用しないひとつの技能で満足していてはダメだということ。
これからテクノロジーが飛躍的に発展し、変化のスピードも早く、長寿化が進み、長く働くようになる世の中では、ひとつの分野にこだわらず、状況に応じて専門分野を変えていく必要があるということです。
言うは易く行うは難しですが、従来の考え方、やり方を見直して、自分にできることを増やしていきたいと思います。
第二のシフト
長年同じ企業にいた自分にとって、仕事以外の人的ネットワークはほぼありませんでした。
なので、今後は意識的に自分の力になってくれる人たち、多様性のあるコミュニティ、親密で、温かく、愛情のある人間関係という三種類の人的ネットワークをはぐくむことを心掛けていきたいと思います。
なかなか一朝一夕にできることではありませんが、まずは好奇心を持ち、新しいことに積極的に関わっていく姿勢が大切だと思っています。
第三のシフト
私自身は、普段なるべくムダなモノを買わないようにしていますが、それでも1年もたてばモノが増えてしまいます。
これからは、消費でなく自分で何かを生み出す生産によろこびを見い出していきたいと思っています。たとえば自分のブログを作ってみるとかでもありかなと。
心身の健康を保ちながら長く働いて収入を得つつ、趣味や社会貢献などの面で充実した創造的経験ができる生き方に転換していきたいと思います。
勇気と未来感覚
グラットン教授が提唱する〈シフト〉をするには、従来の常識にとらわれたままではできないとあらためて思いました。
本書で描かれている未来図を参考にし、勇気を持って自分の未来を選択していく必要があると強く認識しました。
私の30年以上の社会人経験でもそうでしたが、昔は企業が社員の代わりにすべてを決めていたように思います。
しかし、未来の世界では選択肢が広がり、自立した働き手が自分の働き方を主体的に選ぶケースが増えるということです。
自分の道を主体的に選択するためには、複数の選択肢を持っていることが重要になってきます。
なかなか悩ましく簡単なことではないと思いますが、新たな可能性を見いだし、未来への希望を持って進んでいきたいと思います。
選択肢を持つことについて、以前読んだ橘玲さんの本に書かれていたサッカーの話も参考になると思います。
おわりに
さあ、私も1か所に突っ立ったままでなく、複数の選択肢を持てるように努め、人生における最適なポジションを確保していきたいと思います。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。