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MBAは人事コンサルタントの役に立つか

国内MBAホルダーの人事コンサルタントという立場から、私の実体験を踏まえて「MBAは人事コンサルタントに役に立つか」という点について考えてみます。

結論、「役立つ」と考えています。


MBAでは何を学ぶのか?

ご存じの通り、MBAでは経営戦略、人的資源管理、組織行動、ファイナンス、会計、マーケティング、技術経営、アントレプレナーシップ、ゲーム理論、ミクロ経済学、統計といった経営に関する広範な領域を学ぶことができます。私自身、2年間に亘って上記の領域を学び、組織行動領域では修士論文も執筆しました。

上記の中では人的資源管理や組織行動が人事コンサルタントの業務に役立ちそうな感じがしますね。私もそのように考えていましたが、実態は少し違いました。

運転免許としての人的資源管理・組織行動


人事コンサルティング会社に入ると、その道ウン十年のベテランコンサルタントたちが梁山泊のように集まっています。彼らからすると、MBAで学ぶような人的資源管理や組織行動の理論は既知の内容です。2年やそこら学んだだけでは、到底太刀打ちできるものではありません。またクライアントとなる人事の方も、勉強熱心な方であれば当然ご存じのことが多いです。

人事コンサルタントにとって、MBAで学ぶ人的資源管理や組織行動の理論は役立つものの、運転免許のようなものだと思っていただければいいでしょう。

想定以上に役立った経営戦略、ファイナンス、会計

むしろ想定以上に役立ったと考えているのは、経営戦略やファイナンス、会計といった、人事からは少し離れたような領域の知識でした。最近はESG経営や人的資本経営の潮流で、経営戦略と人事戦略の接合や人的資本開示、コーポレート・ガバナンスが人事コンサルティングの現場ではとてもホットなトピックになっています。これらのトピックでディスカッションする際に役立つのが、経営戦略やファイナンス、会計の知識です。人事コンサルタントといっても、その領域には知見がない方もいらっしゃいますので、広く経営学を知っていることは、自分にとってのユニークネスになっていると感じます。

広い領域を学ぶことに意義がある

私は人事領域での専門性を高めていくことを志してMBAに入学したこともあり、当初は人的資源管理や組織行動の勉強に特化すればいいと思っていました。しかしそれは視野が狭く、広い領域を学ぶことに意義があったのだと途中で気づかされました。

MBAで学ぶ人的資源管理や組織行動のみならず、経営戦略やファイナンス、会計で学んだことも役立つというのが私の実体験を踏まえた結論です。

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