陸海空 ヨーロッパ交通見聞録 (2015年時点)
プロローグ
2015年の夏、縁あって知人のヨットに誘われ、地中海にクルージングに行った。航海中ヨットで食べる米を7㎏担いで勇躍旅立った。
行先はイタリアとフランス。具体的にはローマを経て、イタリア・サルディーニ島へ飛行機で入り、そこからヨットでフランスのコルシカ島へ渡たり、さらに北上しようというものだ。サルディーニ島は四国位の大きさで、その北にあるコルシカ島は四国の半分の大きさ。地中海のほぼ中央にデンと構えている。
海外旅行は10年ぶりで、交通事情の変化に我が心はまるで浦島太郎の気分。時代の変化はすさまじい。今回は陸海空を含めて、変化を感じた欧州交通見聞録としたい。
■空=飛行機
1・チケットレスに驚き。名前とパスポートでOK
出発3ヶ月前のことだった。私が旅行会社に「航空チケットはどうやって入手するのですが」と言うと「もう、そんなものは存在しません」と言われた。ならばと、息子に聞いて、ネットで直接航空会社へ予約。行ったこともない島々だが、そこへ行くローカルな飛行機チケットも、自宅に居ながらにして取れる。安いし便利だ。予約番号と名前、パスポート番号等で、すべて完了。手元に航空チケットが無いからちょっと不安だが、「あぁ~、時代は変化しているんだ」と、初っ端から浦島太郎の気分になった。
かてて加えて、後に現地で合流しヨットクルージングを一緒するK夫妻が、中東のカタール航空エコノミークラスで、羽田~ローマ間往復一人55,000円のチケットで来たと聞いたときはビックリ。1980年頃、ヨーロッパまではエコノミークラスで北回りでも25万円が安い方だった。それが約5分の1とは隔世の感である。
EUはユーロという一つの通貨であり、旅行をしていても国境の検問もない。飛行機チケットの安さと、自由に行き来できるEUを感じた時、地球は狭くなったと改めて思った。
2・正面に操縦桿無し、エアバス社の飛行機
エアバス社の飛行機には、車のハンドルに相当する操縦桿が無いと聞いていた。そこでローマに着いて降りるとき、機長に「私はアマチュアのパイロットです。ちょっとコックピットを覗かせて貰えませんか」とにっこり笑って投げかけると、いとも簡単にOKと言って副機長にその旨を伝えてくれた。
コックピット入ると確かに円形のハンドルは無い。ハンドルの部分には小さなテーブルのようなものがあり、まるで小さなビジネス・オフィスである。では何処で操作するかというと、左右端にある短くて小さなレバー(操縦桿)で行う。
こんなでっかい機体を、こんな小さなレバーで操作するんだと思っていたら、副操縦士が「まるで、コンピューターゲームをしているようなものさ」と言った。
時代は変わったねぇ~。
でもボーイング社の飛行機には従来通り操縦桿は中央にデカいのがドンついている。
考え方の違いからとの事だった。
補足:操縦桿はエルロン(左右の傾き)とエレベーター(機首の上げ下げ)の操作をするもの。
左右への舵操作は足元のペダルで行う。
■海=ヨット
1・ヨットは快適海上移動生活空間
私が乗り込ませてもらったヨットは、全長14m、幅4m余りあり、大型観光バスより大きい。海面下に2mもあるバラストは3tもあり、船全体の重さは10t。この船に、食料、水、その他生活道具の一切を積み込み、6人で海上をセーリングして航海する。
風がない時や入出港の時はヤンマーの75馬力ディーゼルエンジンを使う。ベッドルームが3つあり、キッチンや冷蔵庫もあるから、港に入ればヨットがホテル&レストランになる。ヨットはまさに快適海上移動生活空間である。
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